創造のあそび場

ボーダレスなストーリーをお届けします

世界をトランクと巡礼し、たどり着いた幸せは。誕生「希望のトランク」

タイトル「希望のトランク」

この物語は、2012年に書きました。

400字原稿107枚(42907字)なので、中編でしょうか。

 

この物語が生れたきっかけは、私が、最も尊敬する師匠が、昭和35年に世界を旅する時に持って行った『トランク』の写真を見た時に物語が生れました。

このトランク見た瞬間『希望のトランク』というタイトルと物語が一気に出来上がりました。

正しくお話が、降りてきたという感覚でしょうか。

一気に書きました。

テーマは『抜苦与楽=苦しみを抜き喜びを与える』です。

 

内容は、27歳の男性の主人公が、両親、姉が台湾旅行に行き帰りの飛行機が墜落して、一度に家族を失ってしまう所からお話が始まります。

亡き父が残した古いトランクが、ある夜、突然ビックリ箱のように開きます。

その中には、片手にはめる事ができる、外国人男性の風貌の人形(腹話術のようなイメージ)その洋服の胸には大きな小豆色のスタールビーの宝石がついています。

その人形=アーシャと名乗ります。人形の胸にあるスタールビーに宿る魂が、

過去インドで生きていた王子様のアーシャ王子です。

不運な死を遂げたアーシャ王子は、不幸に泣く人に喜びを与えた見返りに、その人から星をもらう。この星が7つ、宝石に宿る時に、アーシャ王子の魂も成仏して、やがて、また、生れ変わる事ができるのです。

その為に、主人公と一緒に世界6ヵ国を巡り、最後は、日本に戻ってきて、7つ目の星を見つけるという、ファンタジーなラブストーリーです。

物語は、前半は、ドイツ⇒カンボジアソ連⇒中国⇒メキシコ⇒アメリカを巡り、その国で大切な家族を事故やテロ、虐殺、地震、などで亡くした遺族に、その人が一番欲しい遺品(死者からのプレゼント)をトランクが用意していて、それを主人公が渡していきます。その見返りに、遺族から、星をもらいます。なぞときのような展開でエンターテメントに溢れる展開になっています。前半は、泣ける要素もふんだんに組み込んでいます。

後半は、日本に帰ってきて、舞台は、2011年の東日本大震災で夫を失い、小学生の息子と東北の石巻で花屋を営む女性と主人公のラブストーリーが展開されます。

トランクが7番目の星として、準備したものは……。

これは、深い意味のある結末で、最後はタイトルの通り『希望のトランク』の意味がわかる展開です。

読み終わった後に、私の作品を通して『希望のトランク』から沢山の希望のプレゼントをさせて頂きたい。そんな願いのこもった作品です。