新作が続々誕生!!第三弾はオリンピックが題材です
お題「#おうち時間」
今、私が、創作している小説をご紹介していますが、今日は、来年に延期された東京オリンピックが舞台のお話です。
このお話は、構想は東京で2度目オリンピックが
開催されると決まった時からですから
ずいぶん長く温めすぎた企画です。
私の個人的な身勝手な思いですが、東京オリンピックの開催が
来年に延期されて良かった!
と密かに思っています(あ=ひんしゅくですね)
何故ならば、オリンピックの前に作品を完成させて、発信したいと思っていたので。(本当に個人的な事情です)
なので、6月末の締め切りの某出版社の小説のコンクールに応募しようと今、準備中です。
ここで、サクッと内容をご紹介します。
タイトル『誓願の炎』
~内容は~
舞台は、東京オリンピックのメインスタジアムの近くにある美術館。
ここに集められた5人の女性たちに課せられた、国の威信をかけた重大な使命とは。
オリンピックの象徴である聖火の炎をめぐって、
5人の女性のそれぞれの人生の転機が、国の大きな危機を救う。
この作品だけは、今、しっかりと書き上げていこう!
とメラメラと燃えています!!
その意気込みを消さずに、
今日も、元気にスマイル☺
新作が続々誕生!第二弾👽
お題「#おうち時間」
私は、かつてない長~いおうち時間の中で、創作意欲が全開ですが、
今日は、今、みなさんも便利に、また、必然的に使っている
“オンラインシステム ZOOM”
を使った物語を創作しましたので、サクッとご紹介します。
タイトル『王子様は、実は宇宙人!?👽』
内容は、アラサー女子のウェブデザイナーは、オンラインシステムZOOで開催されるイベントに参加して、理想通りのイケメン男子と出会います。
お互いの相性もよく気持ちが高まりますが、主人公が会いたいと希望してもそれに応じてくれない彼。
しかし、実は、彼にはすぐに会えない大きな障害があったのです。
こんな感じのストーリーです。
なんとなく、結末が創造できませんか?
この物語りは、先日、私がオンライン女子会をやっていた時に、自分の背景を宇宙空間にしていたら、それを見た友人が
「まるで宇宙から交信しているみたいね~」と言われたのです。
確かに、パソコンの画面上に現れる一人一人が、それぞれ、
地球以外の星に住んでいて、
とはこれからの未来にありえる話だなと思いました。
この物語も、6月に締め切りの短編小説の公募に応募しようと思います。
勝手に、締め切りに追われる売れっ子作家を妄想しながら、
創造の楽園で静々と書きます。
では、今日も、有意義で希望に満ち溢れた一日でありますように(^^♪
スマイル☺
家族揃って楽しめるゲーム感覚でタイピングが身につくソフト
お題「#おうち時間」
おうち時間を過ごす中で、こんな楽しいゲームソフトを教えてもらいました。
大人も子供も一緒に楽しめるタイピングゲーム。
自宅待機が長くて、あきあきしているお子さまや、大人には脳トレーニングにもなります。
ぜひ、お試しください。
今日も、スマイル☺
「寿司打ち タイピングゲーム」 http://typingx0.net/sushida/
おうち時間で楽しく読んで欲しい、新しいブログを作成しました
お題「#おうち時間」
自宅待機が長いので、新しい短編小説を掲載したブログを作成しました。
写真も、小説の内容に合わせて加工したので、より小説の世界観が表現できたかな?と思います。
自分の考えている創造の世界が、このようにカタチになるって、改めて楽しいく
ワクワクしますね。
もっともっと小説も書きたくなりました。
今、長編1編、中編1編、そして、短編2編と投稿中なので、いずれ結果が出たらその小説もこのようなカタチで発信していきたいと思います。
創造の翼を広げて『STAY HOME』をかけがえのない時にしていきたいですね。
今日も、スマイル☺
オンライン会議システム「ZOOM」を使っておうち時間を楽しく
お題「#おうち時間」
皆様もご存じかと思いますがオンライン会議システム「ZOOM」
私は、友人に紹介され4年前から使っています。
我が家の息子も、4年前よりカナダ人のカメラマンよりマンツーマンのオンラインの英語のレッスンを受けています。今年高校3年生の息子は、今では、この先生と共通の趣味?である歴史について語れるほどになりました。
この「ZOOM」は、今のこの状況の中、利用者が、2億人まで急増したそうです。
下記の映像は、私にZOOMを教えてくれた友人が作成し、昨年のZOOMの主催のコンクールで最優秀賞を受賞したビデオ作品です。
これで、今、世界中の方々と、おうちにいても簡単につながれますね。
インターネットがあってホント!良かった!!と痛感するのは、私だけではないと思います。
また、毎日、こんな企画もやっているそうです。
私も、大好きなコーヒーを飲みながら、参加してみます。
皆様も、共に、おうちで楽しく過ごしましょう☺
おうち時間で楽しく読んで欲しい新しいブログを作成しました
お題「#おうち時間」
自宅待機が長いので、新しい短編小説を掲載したブログを作成しました。
写真も、小説の内容に合わせて加工したので、より小説の世界観が表現できたかな?と思います。
自分の考えている創造の世界が、このようにカタチになるって、改めて楽しいく
ワクワクしますね。
もっともっと小説も書きたくなりました。
今、長編1編、中編1編、そして、短編2編と投稿中なので、いずれ結果が出たらその小説もこのようなカタチで発信していきたいと思います。
創造の翼を広げて『STAY HOME』をかけがえのない時にしていきたいですね。
今日も、スマイル☺
こうして物語は生まれた「ホッピーを飲み×読み⁇ませんか?」第2弾!!
お題「#おうち時間」
実は、ホッピーにちなんだお話は、もう1本あります。
これは、実際に銀座にある、『日本一美味しいホッピー』
が飲めるお店で検索して、私が、初めて、取材を兼ねて行き、
ホッピーを試飲したバーです。そこで、インスピレーション
を得た物語です。
実際、ポッピーもお料理もお店雰囲気もとても素敵でした。
もしも、この作品がコンクールで賞を受賞できていたら、
胸を張ってお店の方にも報告できたのですが……。
ですが、このお店のおかげで、この物語が生れました。
ご興味のある方は、どうそ銀座にお尋ねください~
今日は、いい天気!
お酒は夜のお楽しみとして!(^^)!
今日も、スマイル☺
~ここから、全文掲載します~
タイトル『ホッピー、一国を救う』
作 スマイル・エンジェル
【あらすじ】
還暦の誕生日を夫が、祝ってくれると銀座のバーで待ち合わせをしたひとみは、その店に伝わるカクテル“やまと魂”(ホッピー)の誕生の秘話を店の女将から聞かされる。その秘話とは、この国を救い、そして、ひとみ自身の危機をも救う。
【文字数】
5501
還暦のお祝いにと、夫が銀座から新橋に抜ける繁華街のバーを予約したと言う。
日頃、この界隈は、華道の師範の集まりや、買い物でよく訪れる好きな街だが、お酒をほとんど飲まない石原ひとみは、飲み屋が立ち並ぶ繁華街でその店を探すのに手間取った。
夫が手書きで書いてくれた地図を頼りに歩き探すが、間口の狭いのと、店の看板があっさりしていたので、何度か通リ過ぎていたようだ。
ひとみも迷う事を想定していたので、約束の時間より早めに自宅を出てきたが、店に到着したのは、約束の時間を30分も過ぎていた。
カウンターだけの店は、金曜日の夜なのに客は誰もいない。
ひとみよりは一回りは上であろう白髪がっかた長い髪をアップにし、落ち着いた濃紺のサテン生地の上品なワンピース姿の女将が笑顔で出迎えてくれた。
ひとみは、その女将の存在に内心ほっとした。
こおゆうバーは、きっと男性のバーテンだけがいるもんだと思っていたから。
ひとみが席に座ると女将が、温かいお茶を出してくれた。
『ご主人様からのご伝言で、あと1時間ほどは遅れるそうです』
夫は、10年ほど前から、従業員300名ほどの情報機器を扱う中堅の企業の代表取締役をしている。先代の社長に見込まれた夫は、社内でもやり手の営業マンだったらしい。
ひとみは、ほとんど家庭を顧みない夫は、会社ではそれなりの評価を得ているだろうが、父親としても、夫としても、不満だらけだ。
今日だって、こうして、ひとみの還暦の誕生日を祝うと称して、この店を予約しているが、案の定、約束の時間にも間に合わず、初めて訪れた店でひとみはこうして一人で過ごしている。
そんなひとみの不満を知るはずもない女将は、
『ご主人様から、いつも、奥様のご自慢を聞いていましたので、お目にかかるのを楽しみにしていました』
『主人が私の事を?あら、それは……』
『お料理が上手で、いつもお部屋をお花で飾られて綺麗にされていて。お二人の息子さんを立派に育てられて、しかも、ご主人様のご両親の介護をやりきって、更に、お若い時から続けられている華道の師範もされていると』
『まぁ、随分とおしゃべりですね』
『どんなに仕事で疲れていても、家に帰ると心から安らげると』
家では、ほとんど会話のない夫が、そんな事まで、他人に話していたとは。
事実ではあるが、ひとみは、自分の考えが及ばない夫の顔を見せられて、戸惑った。
初対面の女将にくすぐったい賛辞を浴びせられて、ひとみは、話題を変えようと店の中を物色した。
奥で静かにグラスを磨く40代のバーテンダーと目が合う。
バーテンダーは、ひとみに軽く会釈で応える。
女将が『長男です』と紹介してくれる。
そういえば、目元が女将と似ている。
『息子さんとご一緒にお店を切り盛りされているなんて羨ましいですね。家も息子が二人いますが、私の事なんて、相手にしてくれませんからね』
『この店は、私のお舅が、戦後この地域で2坪のバロック小屋から始めたんですよ。私は、2代目のこの子の父親と結婚して。なので、息子で3代目です』
ひとみは、奥の壁に飾られた写真を見つめて
『あちらに写っていらっしゃる方がご主人ですか?』
セピア色に変色した写真には、人民服の40代後半の男女と、並んで同年代の着物姿の女性とワイシャツに蝶ネクタイに髭を生やした男性が笑顔を向けている。
『はい、髭を生やしているのが、夫です。10年前に癌で亡くなりました』
『そうでしたか。奥様は、女優さんみたいですね』
『もう、30年も前の写真ですからね。こんなにおばあさんになりましたよ』
ひとみは、一緒に写っている人民服の男性を見つめる。
どこかで見た事のある人だけど、誰かしら?
服装からして、今や世界の中心となる、あの大国の…。
『あの~、ご一緒に写っている方は?……』
女将がひとみも考えた大国のかつての宰相だった人物の名前を告げた。
お舅が戦後にこの地でバロック小屋の2坪ほどの店から始めた当時、学生で留学していた大国の宰相は、店の常連だったそうだ。
お酒がとても好きだった宰相は、『ホッピー』を好んで飲んでいたと。
『ホッピーって?』
お酒をほとんど飲まないひとみは、その軽やかな名前を聞いても、それが、何だか全くわからい。
女将は、さぞ若い時は美しかっただろうと思える魅惑的な微笑みを浮かべて、
『うちの看板メニューなんですよ。是非、召し上がってください』
細見のロンググラスに注がれた黄金の液体にうっすらと浮いた泡。
バーテンダーが『“やまと魂”です』
と、ひとみの前に置かれたコースターにグラスを置く。
ひとみが、グラスを持ち上げるとほんのりと香ばしい香りがする。
ゆっくりと一口飲み込むと、冷たい液体が喉を通リ、口の中にほのかな苦みと爽快感が広がる。
ビールのような風味だけど、しつこくない香ばしさとほんの少しの甘さと、苦味のバランスのいいまろやかな味わいが心地よい。
“とても飲みやすいわ。”
アルコールが苦手なひとみでも、これなら抵抗なく飲める。
『ご主人様から、奥様は、お酒が苦手で、甘い飲み物も好まれないと伺いましたので。こちらなら、大丈夫かと思いまして』と女将が笑顔を絶やさないで。
『これが、ホッピー?というお酒なんですか?』
ひとみの質問にバーテンダーが、
『焼酎をホッピーという炭酸飲料で割ったお酒ですが、これに、当店では先代から伝わる秘伝のエッセンスをブレンドしています。このカクテルの名前の“やまと魂”とはあの写真に写っている方が名付けてくれました』
『やまと魂?』
ひとみは、なんだか慇懃なそのカクテルの名前に違和感を感じた。
ひとみの反応を感じて、女将が、写真を見つめながら、
『我が国が経済成長を続けてきた数十年前に、大きな貿易摩擦から、世界から孤立した事がありましたよね。ご存知、この国は、ほとんどの物資を海外からの輸入に頼っていますから、あの大国からの物資が途絶える事は、この国が亡びるほどの危機でした』
当時、まだ、小学生だったひとみは、後にその危機的状況がどんな事態だったかは知っている。
確かに、もしも、あのまま大国との関係が悪化していたら、今のこの国の繁栄はなかったとは周知の事実だ。
その時の宰相が、この店に飾られた写真の人物であるという。
『宰相は、もしも、この国が滅びてしまったら、自分が若い時に世話になったこの店の先代や、そして、何よりも、このお酒が二度と飲めなくなるのは忍びないと。あの大国は“井戸を掘った人を忘れてはいけない”という、恩義を重んじる国です。宰相がその危機を回避してくれた恩人なんですよ』
時は、終戦後から数年後の日本。
隣国からの20歳過ぎの青年が、我が国の大学に留学していた。
我が国も、復興の中で誰もが貧しく、生きて行くだけで精一杯な世情。
その青年も、国費での留学生だが、日々の食事にも事欠くほどの生活だった。
やせ細った体だが目には自国の未来の発展の為にと情熱たぎる力が漲っていた。
しかし、この国に来て半年が過ぎた頃、その青年は、寝る間を惜しんでの勉強、言葉もろくに通じず友人もなく、孤独と空腹との戦いに将来への展望も目標も萎えてしまっていた。
沈んだ鉛のような心を抱えた青年は、ある日、偶然通リかかったバロック小屋で、店主から、一杯の酒を振る舞われる。
その酒を飲み干した青年は、拙い日本語で店主に、
『祖父が作っていた酒にとても似ている味です』としばらく涙ぐんだ。
支払うお金がないと辞退する青年に、
店主は『あなたが、偉くなったら、支払ってください』と言い、
もつ煮込みと酒をふるまう。
その青年は、時折、この店を訪れた。
その度に店主は、出世払いと言い青年に酒とつまみをふるまった。
青年は、酒を飲み、店主との語らいで萎えかけた気持ちを再び奮い立たせて、数年間の留学期間を最優秀の成績で学業を終える。
その後、青年は、自国に帰国し、その30年後に再び、来日した時は、
大国の宰相となり、妻と一緒に多忙なスケジュールの合間を縫い、
2代目となったこの店を訪れた。
その時、撮影された写真だと。
あの大国とこの国の間にそんな秘話があったとは。
――やまと魂――
ひとみは、カクテルにつけた宰相の心意気に思いをはせ、
『宰相は、井戸を掘った人を忘れなかったんですね。ステキなお話ですね』
『それから、人づてにこのエピソードが伝わって、難しい政治の交渉やお仕事の商談の時に、この店で“やまと魂”を交渉相手と一緒に飲むと成就すると言われましてね。ご主人も何度か、お使い頂いています』
『そうなんですか。それは、また。――夫は、家ではほとんど話さないので』
『そうですよね。ほとんどの男性は、そうじゃないですか。私も、主人が生きている時は、子育てもしてましたから、お店にはほとんど出ませんでした。なので、我が家でも、いつも会話のない夫婦でしたよ』
『そうなんですか。家の主人は、仕事ばかりで。今日だって、こうして約束の時間にもこないですから』
『実は、ご主人様から、今日は、大切な日なので、お店を貸し切りにして欲しいと言われました。奥様が一人でも居心地が悪くないようにとのご主人の配慮なんですね。』
金曜日の夜にこの繁華街で客が入ってこないのはと不思議に思っていたが、夫がそんな気の利いた事をするとは。
さらに女将は、笑顔を絶やさずにとどめの言葉をひとみに放った。
『生れ変わっても、また、奥様とご夫婦でいたいと仰ってましたよ』
『あの、うちの夫がですか?』
『はい。ご主人様が、そう、仰ってました。本当に奥様を心から愛していらっしゃると、うらやましいなって思いました』
ひとみは、女将の顔をじっと見つめた。
笑顔を絶やさない女将は、人を欺くような目をしていない。
ひとみは、自分の心の奥に隠している夫への思いをこの女将に見抜かれたような気がした。
今年で夫は、定年になる。
それをきっかけにひとみは、夫との離婚を考えていた。
数年前に、義理父、義理母の介護を終えた。
二人の息子も社会人になり数年したら、きっとそれぞれの家庭を持つだろう。
これからの夫との二人きりの生活。
ずっと仕事ばかりだった夫が、定年を迎えて、どんな生活になるか。
世間では、夫婦でゆっくり旅行したり、同じ趣味を楽しんだりと穏やかな暮らしを描くようだが。
『私も、何度か夫と別れたいって、思いましたけど』
との女将の『私も』との言葉にひとみはドキッとした。
『うちの夫は、こっちがね』
と女将は、小指を立てた。
こんなに綺麗な奥様が居ても男は浮気するのだ。
ひとみは、息子であるバーテンダーが気になり、そっと窺うと素知らぬ顔だ。
息子にも公認なのか女将は更に
『それも一人じゃないんですよ。私が知っているだけでも、5人、いや7人はいましたね』
『はぁ~、そんなに。随分おもてになったんですね』
『でも、夫に先立たれた今となっては、それも含めて、やっぱり好きだったんだなって』
『ご主人がですか』
『はい』
ひとみは、自分の夫への気持ちはと自分に問うてみる。
大学時代に出会って、数年間の恋愛時代を経て、結婚して子供が生まれて。
――あの時は、あんなに好きだったのに――。
いつから、夫に何も期待しないようになったんだろう。
バーテンダーがひとみの空になったグラスをさげて
『もう、一杯いかがでしょうか?』
『では、もう一杯“やまと魂”を』
“やまと魂”をゆっくりと飲みながら、ひとみは、ぼんやりとした頭で女将が言った夫の言葉を考えた。
『生れ変わっても、また、奥様とご夫婦でいたいと仰ってましたよ―――
本当に奥様を心から愛していらっしゃると、うらやましいなって思いました』
夫は、仕事一筋の真面目な男だ。
少なくともと、女将の夫のように、ひとみ以外の女性に心をうつした事はないはずだ。
私は、本当に夫と離婚したいの?
本当に?
夫は、私の事を生れ変わっても一緒になりたいと思ってくれている。
ひとみは、店の壁に飾られたセピア色の写真を見つめた。
還暦とは“もう一度生まれた時に戻る”時。
あとどれくらいの時間が自分達に残されているのかはわからないけど、今日まで、こうして、人並み以上に生活してこれたのは、夫のお蔭だ。
ひとみは、急に自分が夫に抱いていた思いが、自分本位の身勝手な思いだったと。
その時、店のドアが開き、ドア一杯の深紅のバラの花束がひとみの視界に飛び込んできた。
そして、照れ臭そうな表情の夫が、顔を見せる。
還暦には、“魔除けの意味で赤い物”を身に付けるとの言い伝えから、
息子達が、ひとみの還暦を祝うとの話が出た時に、
『お母さんも、やっぱり、赤いちゃんちゃんこ着る?』と言われた。
『やだ~。私は、“赤いちゃんちゃんこ”なんて絶対に着ないからね!』
と言った言葉を思いだす。
あの時、知らん顔の夫だったけど、ちゃんと、聞いていたんだ。
還暦のお祝いに“魔除けの意味で赤い物”と夫は、思案して、お花が好きなひとみのために持ち切れないほどの深紅のバラを用意してくれた。
女将が満面の笑顔で『お待ちしていましたよ』
深紅のバラの花言葉は“不滅の愛”。
カクテル “やまと魂”が注がれる。
『お誕生日おめでとう。これからも、よろしくお願い致します』
夫が深く頭を下げる。
ひとみは3杯目のカクテル“やまと魂”を飲み干す。
そして、ひとみは、どうやら、このカクテルの魔法にかかったようだ。
バーテンダーが言ったカクテルに入れた秘伝のエッセンスに。
『カクテル“やまと魂”を交渉相手と一緒に飲むと難しい交渉事が成就すると言われましてね。ご主人も何度か、お使い頂いています』
おわり
こうして物語は生れた「今だからこそ、家族でおうちでできること」
お題「#おうち時間」
今、自宅でいかに楽しく過ごすかが最大のミッションですよね。
これからご紹介する作品は、我が家の子供がまだ、小学生の時にこの物語を作りました。(二人の子供は、今は、高校生になりましたが)
今、家族で過ごす時間がありすぎる?昨今ですが、こんな風に家族で楽しんでみてもいいのではないでしょうか?
今こそ、原点にかえって、この時間が後にかけがえのない時となることを願って。
今日も、スマイル!(^^)!
~ここから全文掲載します~
タイトル 「家庭劇場」
作:スマイル・エンジェル 《あらすじ》 高校1年の私は、毎月我が家で開催される『家庭劇場』に友達の美咲を招待する。 『家庭劇場』は、料理好きのママが創作料理を作り、本好きのパパが本の紹介をして、宇宙飛行士を夢見る弟が宇宙に関するクイズを出し、ピアノが得意な私が演奏を披露する。マイホームを舞台に温かい家族の絆を描いた物語。 文字数:6992
高校の帰り道、駅前のショッピングモールのフードコートでタピオカドリンクをストローで吸い上げて美咲が、
「家庭劇場?なに、それ?」と残ったタピオカをズズッと少し音を立ててすする。
私も、半分になった、ミルクティーの下に沈んだ黒いタピオカをストローでかき回しながら美咲にどう説明しようかと思案する。
美咲に、バイトが休みの日曜日に映画に行こうと誘われたが、その日は、我が家では、『家庭劇場』の日だった。 美咲とは、高校の入学式の日に隣になった。
8クラスある新入学生の女子の中でも美咲は、ダントツに目立つ美人で、いわゆるオーラがあった。 制服のスカートの丈も程よく短くして、すらりと伸びた脚に黒いハイソックがよく似合っていた。
新入生の生徒はまだ制服に着られているようなぎこちない体裁の中で、美咲だけが、雑誌のモデルのように着こなしていた。
その美咲から、親しそうに話しかけられて最初はドギマギしたけど、見た目とは違いとても親しみやすい性格にすっかりと仲良くなった。
私は、そんな美咲をいつも憧れの存在として大切に思っていて、美咲の誘いを断りたくなかった。 でも、我が家でほぼ毎月行われる家庭劇場も大切だった。
きっとパパもママも、私が、友達との約束を優先したいと言ったら、そうさせてくれると思う。 でも、そうはしたくないという気持ちもある。
家庭劇場は、パパとママが育った施設でやってきたことらしい。
その施設には、私が小学生でクリスマス会の時に初めて行った。
施設では、私よりも小さい子から、高校生までの30人程の子ども達が一緒に生活していた。 ママは施設に着くと、すぐにエプロンをつけて、奥にいなくなった。
パパと弟と私は、子どもたちと一緒に部屋の飾りつけを手伝った。
パパは、園長先生のおじさんとすごく仲良く楽しそうに話をしながら、他の子ども達にもまるでずっと前から一緒に生活していた家族のように親しそうに打ち解けていた。
私は、初めて知り合う人ばかりで最初は緊張していたけど、みんなと一緒にお部屋の飾りつけが終わる頃には、すっかりみんなと打ち解けていた。
そして、仲良くなった数人の女の子と一緒に湯気のたった温かいとうもろこしのスープをテーブルに並べるお手伝いをした。
その他に食事は、小さな骨付きの鶏肉とサンドイッチが用意され、そして、イチゴの生クリームのケーキをママが食事係りのおばさんと一緒に切り分けてくれた。
食事が終わると、飾りつけをしたホールで、同じ歳くらいの子どもたちが数人のグループに別れて、歌を歌ったり、手品をしたり、漫才を披露してくれる。
パパとママも混じって職員の人たちと一緒にハンドベルでクリスマスソングを演奏し、最後に、 サンタクロースに扮した園長先生のおじさんが、子どもたち全員にプレゼントを配ってくれた。
私も、小さいピンクのクマのぬいぐるみをもらい、弟は電車のプラレールをもらった。 クリスマス会が終わって、私達が玄関でみんなに見送られている時に、ママは、食事を作ってくれたおばさんに背中をさすられながら、泣いていた。
私は、なぜママが泣いているのかよくわからなかったけど、悲しくて泣いているのではない事はわかった。 それから、何度か、施設に遊びに行ったけど、毎回楽しい思い出になった。 施設では、高校3年生になったら、一人暮らしをしなければいけないそうで、パパとママも高校を卒業してから、就職した寮や一部屋だけの狭いアパートに暮らして、その後、結婚して、私が生れた時に今の家を買った。
そして、我が家での家庭劇場は、ママは、得意の創作料理と部屋の飾りつけ、読書好きのパパは本の紹介、弟は、将来の夢である宇宙飛行士にちなんだクイズを出すのがブームだ。 私は、幼稚園から続けているピアノの演奏をする。
これを節分・ひな祭り・端午の節句・七夕・お月見・クリスマス、それ以外の月は、それぞれの誕生日のお祝いと、我が家では、ほぼ毎月『家庭劇場』が開催される。
施設の話は除いて、そう美咲に説明すると、 「毎月ってさ。それって、ウザくない?」 と言って美咲は、カバンから化粧ポーチを出しキラキラにデコったコンパクトの鏡を見ながら、リップの口紅をつける。 美咲には、返事を一日待ってもらう事にした。
家に帰ると、パートから帰ってきたママがスーパーの袋から食材を出して冷蔵庫にしまっている。 私は、部屋着に着替えて、エプロンを付けてキッチンでママの手伝いをする。
このキッチンは、お料理好きのママが家を買う時に一番こだわったという。
おうちには動線というのがあって、特に水回りは一番大切なんだとか。
そして、キッチンは家族が健康で快適で幸せに過ごすために一番大切な食事を作る場であると。
ママ曰く「楽しくって、わくわくして、そして、喜んで料理ができるキッチンにしよう!」
という理想を掲げて、沢山のモデルルームを見たり、設計士さんに相談して作ったママご自慢の対面式のキッチンだ。
こうして、家族が仲良く一緒に食事の支度ができるようにとスペースもたっぷりと取っている。
私は、ママから頼まれたエビの殻をむきながら美咲からの誘いの話をする。
予想通りにママは、美咲と映画に行っていいよと言ってくれる。
「ねぇ。なんでうちで家庭劇場をやるようになったの」
「ママとパパは、子供の頃、本当の家族じゃない、沢山の仲間や園長先生や、お料理を作ってくれる寮母さんと暮らしてきたでしょう。時には、本当のお父さん、お母さんに会いたくて寂しくて悲しくて、自分が壊れてしまいそうな時がたくさんあったのね」
私は、ママを見れなくて、ひたすら丁寧にエビの背ワタを取るのに集中した。
「そんな時に毎月、施設で開催される家庭劇場が、すっごく楽しくってね。次は、みんなに何を披露しようか、喜ばせようかって思うのよ。その為に、一生懸命勉強も頑張ったしね。パパだって同じ気持ちだったと思うんだ。だから、パパと結婚して、この家を買った時に、この家で本当の家族で、最高の家庭劇場をやろうって思ったの」
そうママの話を聞いて、心に決めた。 美咲を我が家の家庭劇場に招待しようと。
週末の日曜日。 我が家の家庭劇場の日。 ウザイと言った美咲もドーナツの手土産を持って我が家に遊びに来た。
美咲は、薄っすらと化粧をして、長い髪をクルンとカールさせて、重ね着したシャツとインナーのカットソーに太目のデニムパンツが本当に雑誌の中から出てきたようにオシャレで可愛い。
私は、持っている中で一番のお気に入りのトレーナーにギンガムチェックのパンツがとても子供っぽくて恥ずかしかった。
玄関に飾られたウエルカムボードには美咲を歓迎するメッセージとお月様とウサギのイラストが描かれていて、出迎えたママに普段とは全く違うかしこまった美咲の態度に、私は、吹き出しそうになるのをぐっとこらえた。
リビングでは、パパと弟が大きなお月様の飾りを天上から吊るしている。
入ってきた美咲にパパが満面の笑顔で 「わ~モデルさんみたいな美人さんだね」と嬉しそうに言う。
今日の家庭劇場のテーマの中秋の名月は、食べ物の豊作を祈る儀式でもあり『いもの名月』とも言われているので、ママはさつまいもを使ったお料理を用意してくれた。
最初は、さつまいものポタージュスープに隠し味でカレーのスパイスを入れて、さつまいもの甘さの後にほのかなスパイスの味がきいている。
ママは食事の時には、温かい汁物を用意する。それは、ママが育った施設で、夕食には必ず温かい汁物が出されてきからだ。
その時の事をママは、 「時には、寂しかったり、悲しかったりしても温かい汁物を飲むと体がほっこりとして、心に溜まったいやなモヤモヤが、溶けてなくなってしまうのよ」と教えてくれた。
だから、私も、ママの作るスープやおみそ汁が大好きだ。
美咲は、スープを2杯もお代りをして、次に出て来たさつまいもとレーズンと柿のサラダ、さつまいもとベーコンのグラタン、さつまいもを練り込んだクロワッサン、デザートの生スイートポテトまでを完食した。
食後は、家庭劇場のトップバッターで私が、リビングに置かれたピアノの演奏を披露する。
「さあ、皆様目を閉じてください。ここは、18世紀のヨーロッパのウィーンの街。ベートーベンが、30歳になったある夜。美しい月の光の中をベートーベンが散歩しているとある家から、ピアノの音が聞こえてきました」
私は、ベートーベンのピアノソナタを軽やかに数曲演奏して
「そして、ベートーベンは、ピアノの音が聞こえる部屋にそっと入ると灯りもつけずに女の子がピアノの前に座っていました。気配にきずいた女の子は、辺りを見回しますが、女の子は目が見えなかったのです。 ベートーベンは、自分の曲を弾いてくれたお礼にと、その時、心に浮かんできた曲を弾きはじめます。 それが、『月光』です」
私は、静かにベートーベンの月光を弾く。 自分でも満足のいく演奏ができ、弾き終わると盛大な拍手に包まれる。
次に弟が出てきてメモを見ながら「今日は、月に関するクイズを考えました。お父さんは、40歳、お母さんは39歳。さて、お月様は何歳でしょうか?」
全員が、無言で考える。 私が、そっと手を挙げて
「500歳?あ~やっぱり1000歳?かな」
パパが「そんな若くないだろ、1億歳くらいかな」
「まったくわからないわ」とママが腕を組む。
弟が真っすぐに美咲をみて「どうですか?」と聞く。
美咲も困って「全然わかんない~」
「正解は、約46億歳です」
「え~!そんなのもう、まったく想像もつかないわ」とママが驚いて言う 。
さらに弟は、得意げに 「今、見えている月は、明るく光っているけど、これは月が自分で光っているのではなくて、太陽の光が反射しているんだ。そして、月は約15日間昼間がつづいて、その後、15日間夜がつづくんだ。最高温度は110度、最低温度は―40度と温度の変化が激しいんだ」
「そんなんじゃ、月には住めないわね」と私が言うと
美咲が「私達、地球人で良かったね」
「そうなんです。僕たち人間は、今は月には住めない。月は眺めるのがいいと思うけど、いつか僕は宇宙飛行士になって月に行ってみたいと思うんだ」
「ママは、子どもの頃、お月様にウサギが遊んでいるって信じていたけど、今の話をきいたらありえないわね」
「え~ママったら、そんなのありえないじゃない」と私は、呆れてママを見る。
「そのうさぎの話は、日本の『今昔物語』の中で菩薩の修行をしていたうさぎが火の中に飛び込み、それを帝釈天という仏様が、うさぎを月の中に移したというお話から言い伝えられているんだよ」
「パパは、何でも知っているのね」とママが本当に感心して言う。
普段から、ママはパパのことを本当に心から尊敬しているのが、よくわかる。
そのやりとりを見ていた美咲が私に小声で 「ねぇ、彩花のうちっていつもこんな感じ?」
「こんな感じって?」 私が、美咲を見ると、もういいわと言う顔で美咲は、黙りこんだ。
家庭劇場の取りは、パパの出番だ。
パパはかぐや姫の絵本を掲げて「今日は、お月様のテーマだから、みんながよく知っているかぐや姫のお話をするね」
私は、さっきから美咲の反応が気になって、そっと美咲の横顔を盗みると表情を変えずにじっとパパを見つめている。
パパはいつもの陽気な調子で 「かぐや姫のお話は、この日本で一番古い物語の竹取物語に書かれたお話なんだよ」 と言って、表紙の題号の“竹取物語”がかすれた墨文字で書かれた古びた本を見せてくれる。
「竹取物語の作者はわからないけど、上流階級の男性だったんじゃないかといわれているんだ。話の内容はみんなが知っていると思うけど、物語の最後にかぐや姫が、月に帰る時に、和歌のやりとりをして交流のあった帝に不死の薬を贈るんだ。しかし、帝は、かぐや姫のいないこの世で、永遠に死なない命になっても意味がないとそれを日本で一番高い山で焼くように命じた。それから、その山は『不死の山』今の富士山と呼ばれ、また、その山からは、常に煙が上がるようになったと伝えられているんだよ」
ママがまた、すごく感心したように 「かぐや姫にそんな素敵なロマンスがあったなんて、知らなかったわ。これから富士山を見るたびにこの話を思いだすわね」
「今日は、あともう一つのお話を紹介するね。舞台は、アフリカのサハラ砂漠で本はこの「星の王子様」だよ」と言って星と王子様が描かれた本をパパが掲げる。
私も、大好きな本で私の書棚にもある本だ。
「この作品は、子供向けの物語のようだけど、“子供の心を忘れてしまった大人に向けたものである”とも言われているんだ。お父さんがこの作品で好きな場面は、自分の星に帰る王子様と主人公の友情のやりとりでね」
パパは、本を開いて 「王子がこういうんだ『夜になったら、星をながめてくれよ。ぼくんちは、とてもちっぽけだから、どこにぼくの星があるのか、きみに見せるわけにはいかないんだ。だけど、そのほうがいいよ。きみは、ぼくの星を、星のうちのどれか一つだと思って眺めるからね。すると、きみは、どの星も、眺めるのが好きになるよ。星がみんな、君の友達になるわけさ。そして、王子は、自分は、笑い上戸の星だから、君が悲しくなっても、星を見上げると、ああ、嬉しいと思うこともあるよ。そうだよ、ぼくは、星を見るといつも笑いたくなるよ』ってね」
「僕が宇宙飛行士になって宇宙に行ってみたいって思ったのも、パパにこの本を読んでもらったからなんだ」 と弟が思わずイスから立ち上がり得意になって言う。
パパは、本を閉じてニッコリ笑って私達を見つめて。
「パパは、子供の頃から本を読むのが大好きだったんだ。本を読む楽しさは、“タイムマシン”か“万能飛行機”を手に入れたようなものだよ。本は、どんな時代のどんな時を超え、空を超え、どこへでも行ける。いや、“その時代にそこにいた人だって知らなかった”ような事までわかるしな」
「そうね。自分一人の経験だけだと“一人分の人生”だけど、本を読むことで、沢山の人の経験や知識やドラマを学ぶことができるものね」とママが言う。
「読書を通して、もう、死んでしまった文豪や偉人と会話ができるし」
「私も、さっき弾いた、曲も作曲した人の伝記を読むと、すごく上手く弾けるような気がするもの」と熱く言う。
「さあ、では、今日の家庭劇場はここまでにして、熱いハーブティーと美咲ちゃんから頂いたドーナツをみんなで、頂きましょう」とママが立ち上がり、キッチンへと行く。 私は、美咲の反応がすごく気になった。 さっきから美咲は、怒ったような表情でまったく楽しそうじゃない。
やっぱり誘わないほうが良かったとすごく後悔した。
美咲を駅まで送る途中、大きくて真っ赤な太陽がゆっくりと沈んでいく。
眩しくて目を細めていると美咲が 「今日は、楽しい一日をありがとう。正直、彩花がうらやましいって思った」
美咲の横顔を見ると、夕日に照らされているせいか、耳元が少し赤くなっている。
「彩花に家庭劇場?って、よくわかんない話をされてさ。それも、毎月やっているって聞いた時は、チョーウザイ!何それ!?って、思ったけど。今日、初めて参加して、まじに、いいな…って。家なんか、最近は、私の誕生日だってやってくれないしね。家族で集まって食事するって、最近無かったなって」
「でも、毎月やるって最近は、少しね…」美咲の寂しそうな顔を見て、私は、心にもない事を言ってみる。
「ねぇ、今度さ、また、誘ってくれる。その時は、私、歌うからさ」
「えっ!?ホント!」 「あ、彩花が伴奏してさ、コラボしようよ」 「オッケー」 「何、歌おうかな…」
私と美咲はお互いが好きなアーティストの名前と曲名を出し合う。
「それから、彩花のママにお料理教えて欲しいな。さつまいものスープ飲んだ時、すっごく心があったかくなって、なんかさ~幸せ、って思たんだ」 と楽しそうな美咲を見て、私は、めちゃくちゃ嬉しい気持ちになった。
美咲を駅に送り、家に帰るとリビングのソファに並んで座るパパとママの背中が見える。
少し離れた所で、弟がテレビを見ている。
パパがママにビールをついであげて、ママもお返しにパパにビールをついであげて乾杯というふうにコップを重ねてビールを飲み干す。
私は、二人の姿を見て、胸の奥から込み上げる感情で、目頭がじわっと熱くなる。
私の気配に気づいたママが笑顔で「お帰り。美咲ちゃんどうだった?」
「すっごく楽しかったってさ」
ビールのせいで少し顔を赤くしたパパが 「それは良かったな。美咲ちゃん。俺の本の話の時、すっごく怖い顔してたからさ、つまんないのかなって心配だったんだよ」
「そんなことないよ。次回は、私がピアノを弾いて、美咲が歌うってさ」
「おう、それは楽しみだな」
「これ飲んだら、晩ごはんつくるね」とママがビールの入ったグラスを持ち上げる。 「いいよ。今晩は、私が作るよ。クリームシチューでいい?」
「えっ!嬉しいな~。飲んだらおっくうになっちゃったしね」
「パパとママはゆっくりしてよ」
私は、キッチンに行き、エプロンをつけてタマネギを刻む。 刻んだタマネギのせいか、涙があふれてくる。
キッチンペーパーで涙をふきながら、そっとリビングを覗き、ママとパパの子どもで良かったと心から思う。
今、ここにいる幸せをかみしめながら、涙を流しながら、タマネギを刻む。 おわり
こうして物語が生れた「アート力が世界を変える」
この本に触発されて、
生れた『架空のアート村』の物語
ある短編小説の投稿用に書いた作品「めざめの森」
もともと、アート鑑賞が趣味だったので、近くにこんな癒しの森があったらいいな~という思いで作品が生まれました。
上記の本を読むといかにアート感覚が、様々なシーンで大切かということがわかります。
ご興味がある方は、是非、ご一読ください。
☺私の作品も、是非、ご一読頂けると嬉しいです。
~私の書いた作品『めざめの森』より一部抜粋~
「アートの力ってすごいんだぞ。世界のグローバル企業が有名なアートスクールに幹部候補を送りこんで、美意識を鍛えているんだよ。ビジネス界でもアートの感性が切に求められているんだよ」 「ビジネスマンが美意識を鍛えるのか」 「そう。今、アメリカではMBAよりも、MFAを持っている人材の方が重宝されているしな」 「MFA?」 「Master of Fine Arts美術学修士だよ」 「へぇーそうなんだ」 「給料も待遇も、MBAを持っているより、MFAを持っている人の方が圧倒的に高く評価される時代だよ。不景気になってもモノだけはあふれ続ける世の中で、ある商品・プロダクツを買うか買わないかは、デザイン性・アート性が重要視される。 そのために、物事を映像的にとらえたり、デザイン性を大学院で徹底的に研究してきたMFAを持っている人が、売上に最も結びつきやすいスキルを持っているということで高く評価されているんだ」 さらに長谷川は熱ぽく 「それにアートの力は、ビジネス界だけではないんだ。世界の有名な美術館とカナダの国立大学が共同研究をして『アートが健康に与える影響』を調査した結果、アートが人の『幸福度』『生活の質』『身体的な健康』を向上させるって結果がでたんだよ」 「ほ~。それはすごいな」 「今後、美術館や美術鑑賞が、高齢者の心身の健康を維持する重要なパートナーになる事を証明するプロジェクトも始まったんだよ」
~ここから「めざめの森」全文掲載します~
作品タイトル
「めざめの森」
著者名:スマイル・エンジェル
【あらすじ】
42歳の秀樹は、妻との離婚、職場の左遷、そして、母が心筋梗塞で倒れる。
その時に、嫌いだった生れ育った街に、中学の同級生で世界的に成功したアーティストの長谷川が、自分の作品を展示するアート村を作る構想を知る。
台湾からの留学生の麗華との出会いや長谷川との友情で、秀樹の新しい人生がはじまる。
文字数:10、000
俺は、生まれ育った街が嫌いだった。
生れ育った街は、東京といえども、他県との県境で、少し離れたちょっとした観光地として栄えている街とは違う。
駅前には、数年前にやっとコンビニができた何もない街だ。
実家は、数件の店舗が寄り集まる場所で、日曜品と肉を売る雑貨店を営んでいた。
しかし、近年は、車で行ける大型スーパーやネット通販、そして、駅前にできたコンビニの影響で経営が悪化。
3年前に親父が亡くなったのを機に、店を閉めた。
“将来は、ここから出て都会で暮らそう“
そう強く思うようになったのは、大学受験を控えた高校3年生の時だった。
そして、通学に不便だからとの親の反対を押し切り、都心にキャンパスのある大学に進学を決めた。
大学から地下鉄で通える都内に一人暮らしをし、そのまま結婚して、実家のある街には年に一、二度、と帰る程度だった。
一人暮らしをしていた母親のとみが、心筋梗塞で倒れたと近所に住む幼なじみの母親から連絡をもらい、病院にかけつけた。
幸い処置が早かったので、半月ほどの入院で退院できるそうだ。
病院からの帰り道、駅のホームでベンチに座り、スマホで時間を確認すると、次の電車は、30分後だ。
毎日、数分感覚での地下鉄の移動に慣れているので、うんざりする。
ホームから空を見上げるとあつい雨雲で覆われていて、今にも雨が降りだしそうだ。
数日前に、妻の美幸の告白から、ずっと天気が悪い。
梅雨時だからあたりまえなのに、まるで、今の俺の心を映したような天気だなと思う。
「ほんとについてないな」と思わず口に出してみる。
そうすると、悔しさと、悲しさが入り混じった感情がウワッと込み上げる。
スマホの待ち受け画面の、昨年に美幸と行ったサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジを背景に微笑む自分と美幸の笑顔をじっと見つめる。
「赤ちゃんができたの」
見ていたテレビから目を離し、食卓を片付けている美幸を見た。
美幸も、片付ける手を止めて、覚悟したように俺を真っすぐに見つめて
「ごめんなさい。私、産みたいの。だから、別れて欲しいの」
「何、言ってんだよ。赤ちゃんって……はぁ~?」
結婚して数年後に病院で調べたら、俺に子種が無いとわかった。
落ち込む俺に、美幸は
「私、本当は、子供が好きじゃないから、二人だけの生活を楽しみましょう」
それが、美幸の本音だと思っていた。
でも……。
「私、今、36歳でしょ。これが、最後のチャンスだし」
「だって、俺たちは」
美幸は、怖い顔をして
「だから、別れて、って言ってるじゃない」
その美幸の言っている意味を理解するのには、それから、数秒かかった。
頭では“美幸が妊娠したというのは、俺の子供ではないよな”との答えが出たが、その前後の展開がわからなくなった。
重く長い沈黙の後に、やっと
「誰の子供なんだよ」と自分に言うように呟いた。
子供の父親は、同じ会社の後輩社員だと言ったきり美幸は、黙ったままだった。
その夜、一人リビングで一睡もできずに朝を迎えた。
美幸とは、友人の紹介で知り合った。
ほとんど俺の一目惚れだった。
外見も、華やかな美人系で、都会で生まれ育ったせいか、洗練されたファッションや海外生
活の経験もあり、歳下でも成熟した女性の魅力に溢れていた。
電車がホームに入って来て、停まった目の前の車両に乗り込むと、平日の午後だからか客はまばらだった。
目の前に座っていた老婆が、出発した電車の窓から不安そうに駅のホームを覗いていて、乗ってきた俺の横に座り、手に持っている紙を見せくる。
漢字で書かれた字は、実家のある街の駅の名前だった。
老婆は、書かれた字と過ぎ去っていく駅を交互に指さして俺の顔を見つめる。
どうやら、同じ駅まで行くようだった。
「ここからあと5駅は乗りますよ」
そう言っても老婆は、きょとんとしてる。
聞こえないのかと思って、少し老婆に近づき、片手でパァをして大きな声で、ゆっくりと
「あと5駅乗りますよ」と言う。
老婆は、俺の出した手と顔を見比べてもう、一度、駅の名前が書いた紙を見せてきて、中国語で訴えるように言う。
どうやら、老婆は、日本語が全くわからないようだ。
俺がスマホの翻訳アプリを出して、かろうじて老婆と対話をすると、娘が働く店が、実家のある駅にあるらしい。
その駅で俺が降りると知って安心したのか、老婆は穏やかな表情になり、大きな荷物を抱えて、流れていく窓の外の景色を見つめている。
実家のある駅に降りると駅前のコンビニの前に数人の男子高校生が、菓子パンを頬張りながらじゃれ合っている。
その横を通り抜けて、コンビニに老婆と一緒に入ると、レジにいた若い店員の女性が驚き
「ママ!」と大声で言い、レジから出て来て老婆と抱き合った。
暫く早口の中国語で話しているので、二人に笑顔を向けて店を出た。
実家に着き玄関に入ると、とみの履き古したサンダルが置いてあり、数日留守にしているせいか、埃とカビが混ざったような臭いが鼻についた。
居間に入ると、広げられた新聞や、飲みかけの湯飲み茶わんが置かれたままだった。
とみは、このテーブルにうつ伏せて倒れていた所を、連絡をくれた、幼なじみの母親に見つけられた。
あと数時間、発見が遅かったら、確実に帰らぬ人となっていたそうだ。
どっかりとその場に座って、あおむけになって寝ると、ここ最近の災難が頭の中を巡る。
俺は、食品メーカーで企画営業の仕事をしている。
営業成績はヒット商品も連発していて、部下も数人抱えるマネージャーとして年収も、同世代の中ではいい方だ。子供もいない友働きだから、交通の便の良い都心の2LDKのマンションに暮らしていても、夫婦でお互いの趣味を満喫できる生活ができている。
そして、美幸からの衝撃の告白をされて、落ち込んでいた矢先に、人事部の部長から、来月から下請けの工場への出向を命じられた。
その工場は、他県にあり通勤には片道3時間はかかる。
通うには大変なので、転勤となるだろう。
隣に座っている、上司は、「そういう事だから」と目をそらして、先に部屋を出て行く。
先月、俺が担当していた食品から、産地の偽装が発覚した。
この不祥事で、取引先の大手スーパーから、大変なクレームになり業者を使用した責任を俺が取るという体裁だろう。しかし、その業者の起用を強引に決めたのは、上司だった。
俺は、上司に従っただけだったのに。
事情を知った、他の部署の同僚には、運が悪かったなと肩を叩かれた。
出稿とは言っても、事実上左遷だ。嫌なら、辞めてもいいと言うことだ。
そんな職場には、もう、俺の居場所はない。
そして、会社には、母親が倒れたのでと、1週間の休暇をもらった。
順風満帆の人生から、一転して深い転落の穴に落ちたような、やり場のない暗く憂鬱な気持ちで一杯になった。
とみの入院を知らせてくれた母親の息子で、幼なじみの佐々木啓太が心配して訪ねて来た。
啓太の実家は、この辺りの広大な土地を所有する地主で、子供の頃は、啓太の実家が所有する森に秘密基地を作ってよく遊んでいた。
母親同士も仲が良く、実家の店によく啓太の母親がおしゃべりにきていた。
啓太は、大学を卒業後、この街から数駅離れた駅にある信用金庫に就職し、その近くに住んでいる。
啓太が、部屋に入り、あぐらをかいてネクタイを外すと、持って来た缶ビールを開けた。
俺がグラスを探しに行こうとするのを制して「このままでいいよ」と、俺が開けた缶ビールに乾杯とする。
啓太とこうして、ゆっくり会うのは、結婚した時以来だから、10年ぶりくらいだ。
「おふくろさん、大丈夫か?」
「ああ、啓太のお母さんのお蔭で命拾いしたよ。ほんと、いつもありがとうな」
啓太の母親が一人暮らしのとみをいつも気にしてくれていた。
「俺も、少し離れた所に住んでいるから、実家にはたまにしか帰らないしな。俺の所は、まだ夫婦二人で元気だからいいけど、これから先、どっちかが先に逝ったら一緒に住むかと思っているよ」と啓太はビールを飲み干し、袋からホテトチップスの袋を出して開けて頬張る。
「じゃあ。近い将来、啓太は、ここに戻ってくるのか」
「そうだな。そうなるかな。あ、そうだ。中学の時に同じクラスだった長谷川純、憶えているだろ」
「ああ。今じゃ、世界的な有名人だしな」
長谷川は、小学校・中学校の同級生だった。
長谷川は、高校を卒業してから、ヨーロッパを数年放浪して、その後、アメリカのニューヨークで現代アートの制作に取り掛かり、今では、“ジュン・ハセガワ”の愛称で世界中に認知されて、作品は、リトグラフや版画でも数百万の値がつく。
原画ともなると1点数千万の作品もざらだ。
「長谷川から、連絡もらってさ。うちの所有している雑木林を売って欲しいっていうんだよ」
「長谷川が」
「あの雑木林を自然を残した状態でアートの施設を作りたいってさ。長谷川いわく『アート村』を作るんだって」
「アート村?」
「俺も、その話を聞いてな。色々調べたんだけど、瀬戸内海の島も丸ごと島全体に著名な現代アート作家の作品を置いたり、美術館を作っていてさ。世界中から観光客やイベントでアーティストが来たりして、賑わっているんだよな。だから、この街も、そんなふうに、街おこしっていうか、観光地として復興させたいらしいんだよ」
「へぇ~長谷川が、この街をそんなに愛していたとはな」
「俺も、長谷川がなんで、今さらこの街をって、思ったけどな。あいつなりにこの街に思い入れがあるみたいでさ。数日前から、うちの雑木林でキャンプしてんだよ」
「キャンプとはな」
「この辺りには、宿泊施設もないしな」
「だな。やっと駅前にコンビニができたくらいだしな。で、長谷川に土地を譲るのか」
「ああ。そうするよ。親父が元気なうちにさ。こんな寂れた田舎の街の雑木林だ。俺が受け継いでも税金がかかるだけだし、いい条件で売れるわけでもないしな。それに俺も、生れ育った街が賑やかになるのは、嬉しいしな」
啓太から、長谷川の構想を聞いて、今の長谷川の世界的な知名度を考えたら確かに作品を求めて世界中から人が押し寄せる観光地になるだろう。
しかし長谷川が、この寂れた田舎街を選んだ理由が理解できない。
俺にとっては、この生れ育った街からずっと離れたかったし、今も、その気持ちは変わらない。
中学時代の長谷川は、いつも一人でいる物静かで目立たない存在だった。
俺は、それなりに勉強もスポーツもこなしていて、クラスの中でも一目置かれている存在だった。
しかし、試験の結果は、いつも長谷川が学年の一番を取り、俺は、その次。
体育祭でのリレーでもアンカーをするのは長谷川だった。
そして、俺が、長谷川に嫌悪感を抱いたのは、ずっと好きだった同級生の女の子に告白した時に好きな人がいると言って振られた。
そして、しばらくして、その好きな女の子が長谷川と付き合いはじめたのだ。
その時から、勝手に長谷川に嫉妬した。なんかあいつには叶わないとのコンプレックスがあった。
その長谷川が中学3年生の2学期に家族と他県に引っ越し、転校して行った。
噂で、父親が失業して借金があり母親の実家に世話になるためだと知った。
だから、その後、長谷川とはずっと会っていない。
「秀樹はこれからどうするんだよ。おふくろさんが、こうなったら、引き取るのか?奥さんは、どうなんだよ」
「どうって?」
「おふくろさんと同居するとかってさ」
「実はさ」
美幸とのここ最近の状況について、すべてを話した。
「美幸との結婚生活の間に正直、何度かは他の女性と付き合ったりもしたよ。でも、それは、ほんの気晴らしっていうかさ……でも、美幸は、別の男と、子供まで作ってさ。
いや~まいったよ。こんなことになるとはさ」
「そうか……それは、きついな」
「青天の霹靂ってやつだよ。おまけに、仕事でも、上司の不祥事の責任を取って関連会社の工場に出向を命じられて、あげく母親が倒れたときたしな。男42歳。大厄だっていうけど、こんなに一度に災難がくると心が挫けるよ」
と言ったら、自分でも驚くほど、涙が溢れて止まらない。
啓太は、俯いて何も言わない。
美幸からの告白からの憂鬱な日々が心に澱のように固まり重くのしかかる。
梅雨空の天気のように、心にどんよりとた雨雲が垂れ込めているようだ。
しばらくして、今日は、実家に泊まるという啓太を見送り、
そのまま、居間で横になったらいつの間にか眠ってしまった。
翌朝、駅前のコンビニで朝食用におにぎりとカップの味噌汁を買おうとすると、レジにいる昨日の女性がにこやかに
「キノウハ、アリガトウ、ゴザイマス」
ネームプレートを見ると楊麗華とある。
「あ~お母さんね」
「ハイ。タスカリ、マシタ」
「君は、日本に来てどれくらいなの?」
「ハイ、6ッカゲツ、デス」
「日本語うまいね」
「イエ、ニホンゴ、ムズカシイ」
麗華は、全く化粧っけがないが、肌がきれいで、なにより笑顔がとてもチャーミングだ。
「ココニスンデ、マスカ?」
なんて答えていいかためらうっていると
「カンコウ、デスカ?」
「観光か……こんな何もない所に観光に来る人なんて……俺の実家がすぐ近くにあってさ。今はやってないけど『高田商店』っていう看板があるんだけどさ。元、肉屋っていえば、誰でもわかるよ」
「オニクヤ、サン?」
「元ね。今はやってないけど」
「イイデスネ」
何が、いいんだかわからないけど、俺は、適当に話を切り上げてコンビニを出た。
昨日、啓太が言った長谷川の話を思い出した。
ここが、アートの村になったら、世界中から観光客が来るのか。
そうなったら、自分はどうするかとぼんやりと考えた。
とみの病室に行くと、驚いたように「仕事はいいのかい?」
「ああ、ずっと忙しくて、休みも取ってなかったからさ。少し、休暇をもらっているんだ」
「美幸さんは?」
いつかは、言わなければならないので覚悟して
「俺たち、離婚することになったんだ」
とみは、俺の顔をしばらくじっと見つめて「もう、だめなのか」
「ああ、だめだね」
それきり、とみは、美幸とのことは何も聞いてこなかった。
病院からの帰りに、啓太に教えてもらった長谷川が滞在している、森に向かった。
ここに来るのも、かなり久しぶりだ。子供の頃は、啓太と秘密基地でよく遊んだが、高校生になってからは、ほとんど寄り付かなくなった。
その頃から、この何もない退屈な田舎の風景にうんざりしていて、刺激的な都会の生活に憧れていた。
森といっても、無造作に伸びた木々が生い茂る雑木林で、全く整備されていない。
でも、森に足を踏み入れた時に湿った葉から、むせるような緑の匂いがして、懐かしさが込み上げてくる。
どこまでも続くような雑木林を少し歩くと遠くに赤いテントが見えてきた。
テントに近づくとその横にイスに座って長谷川が、居眠りをしている。
胸元には読みかけの本が広げられている。
声をかけようか迷っていると、長谷川が目を覚ます。
俺は、長谷川の最近の映像はいろんなメディアで見て知っているが、長谷川は俺を分からないようだ。
それもそうだろう、30年近くも経っているんだから。
「あ、あの。覚えているかな。俺、中学の時、同じクラスだった高田」
長谷川は、俺の顔をじっと見つめて「高田…あ~肉屋の?」
「そう。肉屋の」
「久しぶりだな。で、どうして、ここに?」
「啓太から。佐々木啓太から聞いたんだ。ここにいるって」
「え~?それで、わざわざ訪ねてくれたの?」
実家の母親が倒れて見舞いに久しぶりに実家に戻り、啓太から長谷川のアート村の計画を聞いた事などを話した。
風呂に入りたいと言う、長谷川が俺の実家で風呂に入っている間に、簡単な夕食を準備した。
風呂から上がった長谷川と食事をしながら、お互いがすっかり打ち解けて長い空白の時間を一気に埋めるように話が尽きなかった。
長谷川は、饒舌に
「アートの力ってすごいんだぞ。世界のグローバル企業が有名なアートスクールに幹部候補を送りこんで、美意識を鍛えているんだよ。ビジネス界でもアートの感性が切に求められているんだよ」
「ビジネスマンが美意識を鍛えるのか」
「そう。今、アメリカではMBAよりも、MFAを持っている人材の方が重宝されているしな」
「MFA?」
「Master of Fine Arts美術学修士だよ」
「へぇーそうなんだ」
「給料も待遇も、MBAを持っているより、MFAを持っている人の方が圧倒的に高く評価される時代だよ。不景気になってもモノだけはあふれ続ける世の中で、ある商品・プロダクツを買うか買わないかは、デザイン性・アート性が重要視される。 そのために、物事を映像的にとらえたり、デザイン性を大学院で徹底的に研究してきたMFAを持っている人が、売上に最も結びつきやすいスキルを持っているということで高く評価されているんだ」
さらに長谷川は熱ぽく
「それにアートの力は、ビジネス界だけではないんだ。世界の有名な美術館とカナダの国立大学が共同研究をして『アートが健康に与える影響』を調査した結果、アートが人の『幸福度』『生活の質』『身体的な健康』を向上させるって結果がでたんだよ」
「ほ~。それはすごいな」
「今後、美術館や美術鑑賞が、高齢者の心身の健康を維持する重要なパートナーになる事を証明するプロジェクトも始まったんだよ」
「それで、あの森をアート村にしたいんだ」
「俺は、長いこと日本を離れて海外に住んできてさ、ふとこれからの人生をどう生きるかって思った時に、無性にここに帰ってきたくなったんだよ」
「こんなに何もない田舎にか?」
「そうだな。ここは、東京だけど、何もない田舎だ。温泉もなければ、川もない。寂れた街だよ。でも、俺は、生れ育ったこの街が好きなんだ。それにあの森がね」
「あの雑木林がか」
「そう。俺にとっては、あの森は『めざめの森』なんだよ」
「めざめの森?」
「子供の頃、よくあの森で遊んだんだ。よく、落ちた枝や木の実や葉っぱで色々作ったり、
昆虫や蝶を採ったし。それに啓太と君の秘密基地にも忍び込んだんだ」
「それは、知らなかったな」
「ほんとは、啓太と君が仲良くしているのが、羨ましかったんだ。でも、素直に自分も仲間になりたいって言えなかった」
長谷川が、俺達をそんな風に思っているとは、驚いた。
その日は、遅くまで長谷川と語り合い、そのまま眠ってしまった。
玄関のチャイムで目覚めると、もう昼近くになっていた。
長谷川は、森に帰ったようだった。
玄関に出で行くとコンビニで働いている麗華と台湾から来たマダム楊が立っていて
「ママガ、コノアイダノ、オレイニ、コレツクリ、マシタ」と麗華がビニール袋に入った物を差しだす。
マダム楊は、満面の笑顔で中国語でまくしたてる。
俺は、麗華に助けを求める視線を送ると
「コレ、ママガ、ツクリマシタ。トテモオイシイデズ」
袋の中を覗くといい具合に焼き色がついた餃子が入っている。まだ、温かい。
部屋に二人に上がってもらい、冷たいお茶を出して、俺は、頂いた餃子を食べる。
皮はもっちりしていて、口の中にジュワッと肉汁が広がる。
「うまい!!ママ最高!すっごく美味しいよ」
麗華がマダム楊に通訳してくれる。
マダム楊も喜び、俺に拝むように手を合わせてしきりに頭を下げる。
「ママハ、アナタハ、イイヒト。オンジン、ト、イッテイマス。ワタシモ、ママニ、アワセテクレテ、カンシャデス」
「そんな。普通そうするでしょ。で、楊さんは、何で日本に来たの?」
「アニメ、デス」
「アニメ?」
「ワタシハ、ジブリノ、アニメ、スキ、デス」
麗華が言うには、子供の頃からジブリ作品が大好きで、日本のアニメメーター育成の専門学校に入学する際に色々調べて、好きな作品の舞台に似たこの街が気に入り、学校にも通える距離のだからと住むことにしたそうだ。
「コノ、マチ、ダイスキ、デス」
「この街がね」
マダム楊が中国語で言うのを麗華が通訳してくれて
「ママモ、ココハ、タイワンノ、フルサト、ミタイダカラ、スキ、ダッテ、イッテ、マス」
親指を差し出しグーをしながら、しきりに頷くマダム楊。
台湾から、この田舎にそんな魅力を感じて移り住む人がいるんだ。
翌日、再び、森に長谷川を訪ねた。
森の中を少し前に長谷川が行きその後ろを俺がついて歩く。
「もう少ししたら、君たちの秘密基地があるよ」
「え~?まだ、あるのかよ?」
「自分の目で確かめろよ」
しばらく歩くと木や枝が細かく組み挙げているが、よく見ると小屋のようになっている秘密基地がある。
でも、それは、子供の頃、俺と啓太の作ったものではない。アーティスト長谷川の作品だ。
枝の暖簾のをくぐりぬけると、人が2人くらいは入れるスペースになっている。
先に長谷川が中に入り、それに続く。
長谷川がどっかりと地面にあぐらをかいて座る。
スペース的に狭いので、その横に俺も座る。
「なあ。いいだろ。この秘密基地」
外の光が木漏れ日がさして若干うすぐらいが妙に落ち着く。
「こおして自然の中にいると、すげ~エネルギーが湧いてくるんだよ」
「自然の中にいるとか?」
「ああ。だってさ、人類がこの世に誕生して約700万年の99.99%、ほとんどの時を自然の中で過ごしてきたんだよ。俺達の遺伝子は、本来、自然の中で生きることを渇望してるんだよ」
「俺は、逆だったな。一人っ子で、両親が細々と営んでいた店を継ぎたくなくて、大学から家を出てそのまま、都会で暮らそうって」
美幸との離婚になる経緯や仕事での挫折を打ち明けた。
全て話し終えても、しばらく長谷川は、黙ったままだ。
「少し、歩かないか」と言って長谷川が先に出る。
長谷川が、少し振り返りながら
「こうして、森の中を歩くだけで、気持ちがリラックスしてナチュラル活性が高まって、身体の免疫力が上がるっていう研究結果も出てるんだよ」
木々の枝葉から、空を見上げると雲の切れ間から太陽光が眩しい。
「正直、世界には、ここよりも環境も条件もいい森が沢山あるけどな」
長谷川は、立ち止まり、空を見上げて大きく息を吸い込み
「だけど、俺は、この森が好きなんだ。ここで、アート村を作って、世界中の人達に訪ねて欲しいと思う」
長谷川は、真剣なまなざしで
「手伝ってくれないかな」
「え?手伝うって?」
「ここには、宿泊施設や美術館、バーベキュー場も作る予定なんだ。俺は、年に半分はここにいる予定だけど、制作活動やイベントで海外に長期で行くこともあるから、できれば、君にここの責任者になってもらいたい」
「えっ?俺が?だって。え~俺が?」
「即答しなくていいよ。考えてえてくれよ」
空を見上げて、長谷川が
「もうすぐ、梅雨があけるな。暑くなるな」
一緒に空を見上げると、ギラついた日差しに頭がクラッとする。
長谷川と別れて一人で森を歩くと頬に心地よい風が通リ抜けていく。
美幸の裏切りや、仕事の挫折でどん底に落ちた気持ちが、今、森に来て長谷川に再会して、
新しい人生の扉が開いたような気持ちになった。
長谷川が言うように、この森は『めざめの森』なのかもしれないなと思う。
とみの病室を覗くと夕食が終わったばかりだった。
とみの好きな豆大福を差し入れると「ありがとう。ちょうど食べたいなって思っていたんだよ」と喜んで食べる。
「俺、ここに戻ってきてもいいかな」
「秀樹がそうしたいなら、そうすればいいさ」
「うん。ありがとう」
実家あるの駅に降りて、コンビニに寄ると麗華が私服に着替えて帰る所だった。
「コンバンワ」笑顔の麗華を見ると思わず
「ちょっと、付き合ってもらえるかな」
麗華を誘っても、この辺りには、気の利いたレストランもない。
街で唯一のカラオケスナックに行くと店のマスターが少し怪訝そうな顔をしてお絞りを出してくれる。
俺はコーラを、麗華はレモンサワーを注文する。
「ママは、いつまでここにいるの?」
「ハイ。1ヵゲツ、イマス」
「でも、君は、仕事と学校があるから、ママは、一人で退屈だろうね。ここは何もないしな」
「ダイジョブデス。ママ、ゴハン、ツクルノ、ダイスキ。イツモ、ゴハンツクッテ、イマス」
「そうだよ。餃子、美味しかったしな。また、食べたいな」
「ハイ。ママ、イツデモ、ツクリマス。ワタシモ、ツクリマス。イツデモ、ツクリマス」
運ばれてきたコーラーとレモンサワーで、俺達は、乾杯した。
それから、仕事を辞めて美幸とは離婚して実家に戻った。
その一年後。
元気になった母と、そして、新しい妻となった、麗華とマダム楊と実家を改装して台湾点心の店をオープンさせた。
店の看板は、おさげ髪の麗華をモデルにしたイラストを麗華が描き、背景を長谷川が描いてくれた。
店の中にも、長谷川の描いたリトグラフを数点飾っている。
点心の味も評判になり、また、長谷川の作品が見れるとあって、店は長蛇の列ができるほど繁盛している。
そして、今、俺は、長谷川の構想する「アート村」の責任者として、準備に奔走している。
来年には、この街が長谷川の作品が街中で見られる「めざめの森」として生まれ変わる。
マスクがキーワードのどんでん返しの短編小説
コロナ騒ぎで自宅待機でくさくさしていますよね。
ライン小説サイトで2分~3分でサクッと読める短編小説の募集で
テーマが『どんでん返し』
なので、投稿してみました。
特に『笑ってよ』は、今、街中にしてない人の方がかえって目立ってしまう
マスク
が大きなキーワードになる物語です。
笑っていないな~と思うあなたは是非お読みください。
「AIの贈りもの」LINEノベル
https://novel.line.me/r/general/novel/18941
「笑ってよ」LINEノベル
https://novel.line.me/r/general/novel/18943
「誓願」LINEノベル
https://novel.line.me/r/general/novel/18938
しぶとく、夢をあきらめない
~あきらめないで、妄想ダッシュ💨!!~
夕飯の買い出し途中にご近所に住む友人にバッタリ遭遇し、しばし、立ち話となりました。その友人は、数年間、洋服や雑貨のリサイクルのお店を経営していましたが、昨年にお店を閉店して、今は、充電中だと。しかし、すっかり気力が脱力してしまい、今は何もする気になれないと。
私と彼女は、ほぼ同じ歳。
子供もようやく手がかからなくなり、いよいよ自分がやりたい事が存分にできる環境になったのに、人生いよいよこれからでしょう!と私は、つばを飛ばして話しました。
そして、私が語る壮大な夢(過去のブログでも沢山書いていますが)の話題に彼女も次第に元気を取り戻し、
「そうね!私も、オーストラリアに行きたいって夢があるんだわ。だから、英語をマスターしたいの」と目を輝かせます。
「そうよね~。私も、英会話少しずつはじめているのよ~」と私も参戦。
彼女は「あきらめない事と、努力し続ける事が大事だよね~」と応戦。
「そうよ!いくつになっても、死ぬまで、夢をあきらめないで行こうよ!」
別の友人からは「あなたは、書く量が足りないだけ。毎日、少しでもいいから、書いたらいいんじゃない。死ぬまでには、1本くらいは、世に出せる作品が作れるんじゃないの。私は、今のあなたの書いたものが読みたいわ」との励まし?期待?を寄せてもらいました。
またある、出版社のベテラン編集者には「作家とライターは違う。あなたの書いたものは、作家だ。これからも、どんどん書いていきなさい。今は、まだ、構成が未熟でも、鍛錬していけば、きっと、世に出せる作品が書けるようになる」と。
単純で素直な私は、俄然スイッチが入り、
「そうだ!とにかく書こう!」と奮い立ちました。
私が、みなさんに届けたい、“人が心から元気になり、笑顔になる”作品をどんどん書くぞ~!って今は、テンションが上がっています。
さてさて、これから、どんな物語が生れるか、自分でもワクワクしながら、今日も頑張ります!
今日、一日がスマイルな一日でありますように☺
スマイル・エンジェル♪
必見!!『とげぬき小僧』をご紹介!
あなたの心に刺さったとげを抜きます
この物語は、紙芝居です。
このお話は、息子(現在高校1年)が小学校に上がった時にできたお話です。
実は、この時、クラスメイトから息子が軽いいじめにあいました。
担任の先生にすぐに相談に行き、問題は大きくなりませんでしたが、私は、この時から『いじめ問題』が今後、起きない(全く起こらないのは不可能かもしれませんが)
予防もかねて、また、子供達への啓発を兼ねて、祈る気持ちで物語を紡ぎました。
このお話にママ友に絵を描いてもらい、大きな紙芝居に仕上げました。
朝の時間の絵本の読み聞かせタイムに、私は、この紙芝居を一歳年下の娘が卒業する7年間続けました。
一年生から6年生までの学年を巡回したので、生徒たちからは『とげぬき小僧のおばさんだ!』とすっかりおなじみさんになりました。
この紙芝居を私の友人が動画にしてくれました。
アナログ的手法の紙芝居がこの様な動画になり、より多くの方に見て頂ける事に無上の喜びです。
私にとっては、初めて作った物語なので、とても、とても、思い入れがある作品です。
死ぬまで元気で、ぴんしゃんコロン!
『心も体も、健康で!ぴんしゃんコロン』
~私が死ぬまでにしたい10の事~
人生100年生きると言われる昨今。
自分の寿命があとどれくらいかはわかりませんが、
死ぬ時は『ぴんしゃんコロン』と死にたいです。
これは、体も心も健康で、『あ~私の人生、最高に楽しかった!』
と笑って、自分自身の人生に感謝したい。
そう思うと、心も体も健康であるための努力が必要ですよね。
私も、年齢は、いよいよ人生の折り返し地点を通過してます。
自分自身のキャッチフレーズに『見た目は〇歳(実年齢)心は20歳』と。
この、『心は、20歳』とは、いつも、未来に向けて、
『ワクワクしながら、創造的な日々を過ごす事』にあると。
人それぞれの目標やそれに向けての課題や挑戦は様々かと思いますが、
私にとっては、このブログで語ってきた事が、その創造的な日々かと思います。
また、心の健康+体の健康も当然の事ながら大切です。
そこで、最近、特に健康に注意している実践に、
『砂糖抜き』があります。
このブログで私が、読者になっている方からの記事を読み、
決心して、只今実践中です。
以前より、砂糖が、人体に与える悪影響というのは、知ってはいましたが、
私は、無類の甘党で、知ってはいても、やめられないでいました。
しかしながら、先にご紹介した記事を読み、一大決心をしまして、
今日まで、実践しています。
この効果は、てきめんでして、体重が一ヵ月で5キロ減りました。
これには、他にも食事制限や運動を心がけてはいますが、
体調の快適さは、とてもとても、良好です。
なので、もしも、共感される方は、是非、実践してみてください。
~ 私が参考にした、砂糖断ちの記事です。~
ここで、お知らせをさせて頂きます。
7月1日より開始したブロクですが、8月26日をもって、閉鎖させて頂きます。
理由は、ブログでも、何度も書かせて頂いた、出筆活動に専念したいので。
いつも、私の、拙い、個人的な取り留めのない記事を読んで頂いている方々、
お一人、お一人に、心から御礼申し上げます。
これからは、私も、一読者として、皆様の記事を拝読させて頂きたいと思います。
あと、2記事は書こうと思います。
どうぞお付き合いくださいませ。
では、今日も、スマイルな一日でありますように💛
スマイル・エンジェル☺
こちらのサイトで、超短い文章で笑顔になる言葉を配信しています。
いじめ撲滅の短編小説シリーズ掲載中です!
日本一の富士山に登頂したい!
『富士山に登りたい!』
~私が死ぬまでにしたい10の事~
毎年の夏休みの家族旅行のリストに、私は、
『ねぇ~富士山の登頂はどうかな?』と提案していますが、
未だ実現してません。
元々、高い所が大好きなので、日本一高い富士山から見える景色ってどんなんだろう。
星空も、さぞ、キレイに見えるんだろうな~💛💛💛
と想像しては、ワクワクしています。
その話を友人にした所、
『富士山の登頂は、ただの苦行よ』と現実を突き付けられました。
トホホホ……。
日頃から、ほとんど登山などの機会はなく、
すっかり、都会仕様 の怠惰な生活な私には、
いきなり富士山登頂は、厳しいでしょうかね。
でもでも、根性・根性・ド根性!
いやいや、その前に筋トレ+歩行訓練?
まずは、高尾山あたりからトレーニングしますかね。
では、今日も、スマイルな一日でありますように💛
スマイル・エンジェル☺
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恋するキューバ!
『キューバに行きたい!』
~私が死ぬまでにしたい10の事~
昨日は、今、すぐに行きたい所は?と問われたら、
私は、 イタリア・ベニス!
と答えます。
と書きましたが、実は、もう一つ行きたい場所があります。
それは、
キューバ!!
これにも、ちゃんと理由があります。
さかのぼる事、2000年に公開された、
ドキュメンタリー映画「ブエナビスタ・ソシアル・クラブ」
この公開に伴い、発売された同タイトルのアルバム。
いつも聞いているラジオから、ヘビーローテーションでかかっていました。
このバンドの編成が最年少で64歳のボーカルを筆頭に、最年長は。84歳の平均年齢70歳代の老年バンド。
サウンドは、全く、年齢を感じさせないサウンドで、すっかりファンになり、
アルバムも買い、そして、映画も観に行きました。
そこで、初めて、キューバを知りました。
社会主義国で、経済的な制裁などで、物不足なのに、そこで暮らす人々は、
底抜けに明るく、街中に音楽が溢れている。
なんて、ステキな国💛!!
すっかり、惚れこみました。
そして、18年の月日を経て今年に「ブエナビスタ・ソシアル・クラブ☆アディオス」☆」として、その後の続編のドキュメント映画が公開されました。
この陽気で、音楽に溢れているキューバに行って、本物のミュージシャンの演奏を聞いて、一緒に踊りたい!
あ~~~早く行かないと、老年のミュージシャン達が、死んでしまいます。
どの順番で実行するか。
悩みます。
それも、幸せな悩みですね。
では、今日も、スマイルな一日でありますように💛
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