私が死ぬ前にしたい2位は、自作品をとにかく映像化したい🎦その1
~私が死ぬ前にしたい10の事~
★★🎥★★★🎥★★★🎥★★★🎥★★
目指せ!『ハリーポッター』
☝私が、死ぬ前にしたい10の事☝
🎥2、映画を作る ~其の①~
☝何故かというと
私が、一番、生きている間に成し遂げたい事は🎥映画を作る事です。
何故かは、ブログの第1回目に書きましたので、ここでは、割愛します。
映画を作るといっても、今さら、映画監督にはなれません。(現実的にはと思います)
なので、私が、狙う目標達成のモデルとして、皆様ご存知の
のように、なりたい!!のよ~by妄想自伝~
を書きます。
◆◆◆小説『ハリーポッターシリーズ』はこうして生まれた◆◆◆
このお話は、かなり宣伝されているので、皆様、すでにご存じかも知れませんが。
作者のローリングさんは、離婚して生活保護を受けながら、まだ1歳の娘をバギーで寝かしながら、カフェでコーヒー1杯で原稿を出筆されました。
私も、曲がりなりにも、小説を書きますのでわかりますが、あの長編を書く集中力と技量は、ド超人ですよね。
しかも、シングルマザーで、まだ、1歳の赤ちゃんがいながらですから。
その背景を聞いただけで、もう、恐れ多いというか。言葉に尽くせぬですね。
普通は、きっと、子供を預けて、働くのが妥当でしょうが、ここでローリングさんは、物語を、しかも、あんなに素敵な創造の世界を紡いだ。
もう~凄すぎて……。
その仕上がった原稿は、最初は、児童書として扱われて、何社も門前払いされ、やっと出版にこぎつけます。しかし、結果は。
この門前払いした、出版社の後悔たるやねぇ。
そして、もう、一つのサクセス・ストーリーが、この本を翻訳・出版した、
静山社の松岡佑子さん。
実は、私は、松岡さんご自身が、出版の宣伝でインタビューを受けているのを
ラジオで聞きました。
その少し前に、ローリングさんのサクセス・ストーリーをやはりラジオで聞いていたので、更に興味深く、松岡さんのお話を聞きました。
松岡さんのお話の概要は。
松岡さんご自身は、通訳として、世界を舞台に活躍。
ご主人がお一人で経営されていた、社会派の出版社『静山社』が、ご主人が他界され、廃業(ご主人からの遺言で)を考えていたそうです。
しかし、友人からの勧めで読んだ作品の(後に出版される「賢者の石」の原作を読み)すっかりファンになります。
この本を翻訳出版したいと熱望した松岡さんは、ローリングさんに作品に対する熱い思いを手紙に綴ります。
この時、既に日本での出版権は、大手出版社が獲得しかかっていたようです。
ここは、ローリングさんの素晴らしい所ですが、全く、無名の松岡さんに、日本での翻訳出版を了承したのです。
正しく、二人の女性の奇跡のようなサクセス・ストーリー
からあの超大作が生れたのです。
その一部始終を熱く語る松岡さんのお話を聞き、私は、発刊前から、すっかり、
この物語の大ファンになりました。
その後の経過は、皆様、周知の事実ですが。
そして、物語の大ベストセラーから映画製作へと展開されていきます。
きっと、ローリングさんご自身も、カフェで出筆されている時には、この顛末を想定してはいなかったと思います。
なので、私の大いなる妄想は、
目指せ!
いいじゃないですか。
夢は、大きい方が。
叶う叶わないは、別として。
まず目標を立てないとね。
大いなる妄想!迷想⁉
あ~~~、死ぬまでに叶えたい!!
皆様の妄想は?
聞きたいですね💛
私が死ぬ前にしたい1位は、ラジオで対談番組を持つ事
~死ぬ前にしたい10の事~
私の、余命があと何年?いや何十年あるか知りませんが、
『私が、死ぬ前にしたい10の事』
を書きたいと思います。皆様もご自分に当てはめてみてください。
☝私が、死ぬ前にしたい10の事☝
👀1、ラジオで自分の対談番組を持ちたい!
☝何故かというと
私は、人様のお話、特に体験談を聞くのが大好きです。
正直、お話のネタになる!
との下心もあります。過去にも、作品のヒントやセリフに使わせて頂いた事も、多数あります。
だって、皆様の人生、それは、それは、素敵ですよ。
発想や視点など、もう、自分では、想像も及ばないですから。
なので、ある意味、これは、私の『趣味であり、ストレス発散』なのです。
一般人の方も楽しいのですが、マスコミに登場する方々は、それなりに道を究めてらっしゃるので、もっと興味が湧きます。
『今、会いたい有名人は?』と聞かれたら、100人は軽くあげられます。
そして、私は、トーク番組が好きでよく視聴します。
朝方なので、『サワコの朝』『ボクらの時代』、ゲストによっては『徹子の部屋』
(時間的に、ほとんど見れませんが)『スイッチインタビュー』、
『Aスタジオ』(これも深夜なので、ほとんど見れません)
あと、『プロフェッショナル』、『情熱大陸』など。
ある人物の素顔を見せる番組は、出演者などによっては、視聴します。
なので、この妄想を日々抱いているせいでしょうか。
知り合って間もない方や、あまりお付き合いが無い方には、がっつりと
インタビュアーのようにしてしまいます。
これに嫌悪感も抱く方も、たまにいますが、大抵の方は、
『私ばかりの話をしてしまって……』と恐縮されますが、
いいんですよ!私が、あなたの事を知りたいので👀
とご了承ください。
さてさて、最近は、少しこのブログ生活にも慣れてきたので、
読者の方々のグログを拝読させて頂きながら、
この方は……と勝手に妄想をしています。
機会が叶えば直接、お話を伺いたい。
そんな、妄想に取りつかれています。
話は、戻りますが。
私は、顔を出せるほどの者ではないので、大好きなラジオで、この対談番組を持ちたいです。できたら、J-WAVEで。キャ~、考えただけで心拍数がマックスです。
皆様から一応、聞き上手と褒めて頂いています(自画自賛で恐縮ですが)
もしも、ご関係者の方がいらっしゃったら、この私の野望を叶えてください!
こんなどうでもいいテンションで、あと9事項、書かせて頂きます。
あ~、つまんなかったら、ごめんなさい🙇
あなたが、死ぬ前に、これだけはしておきたい事
医者が教える『人が死ぬときに後悔する34のリスト』 川嶋朗・医学博士 www.amazon.co.jp/医者が教える-人が死ぬときに後悔... -
以前、作品の参考にと、この本を読み、衝撃を受けました。
リアルです。そして、共感しました。
内容は割愛しますが、各章のタイトルから察していただくと
- 『人を恨みつづけてしまった』
- 『生きているうちに“ごめんなさい”と言えななかった』
- 『やりたいことができなかった』
- 『“愛してる”と言えなかった』
などなど。
そして、著者からの『最期に後悔しないために』との結びです。
これに関連して、知人の葬儀社の社長(40数年にわたり、数千件?の葬儀を行う)
から聞いたお話で、
『人は、死相にその人の人生の全てが現れます』と。
また、別のお医者様からは『生きざまは死にざま。人は、生きたようににしか死ねない』
ともお聞きしました。
前回のブログにて、私の母の最期の生きざまにふれましたが、まさしくこの通リです。
母の死相は、まるで少女のように若々しく、うっすらと微笑み、今にも起き出すのではないかと思うほどでした。
私は、不謹慎かと思いましたが、母の死相を写真に収め、今でも、時折眺めています。
もしも、自分の余命があとどれくらいか?とわかったら、後悔しないために、
できなかった事、言えななかった事、そして、会いたい人に逢いに行く。
そんな、想定で物語を紡ごうと思います。
また、この物語に大きなヒントとなる映画の作品をご紹介します。
『デッドマン・ウォーキング』(Dead Man Walking)は、1995年に制作されたアメリカ映画。
死刑廃止論者である修道女ヘレン・プレジャンのノン・フィクション作品(『デッドマン・ウォーキング』徳間文庫)の映画化。
俳優のティム・ロビンスが監督・脚本を務めた作品で、主演は彼のパートナーのスーザン・サランドン。サランドンはこの作品でアカデミー主演女優賞を受賞した。また、ショーン・ペンはベルリン国際映画祭で男優賞を受賞した。
「デッドマン・ウォーキング」とは死刑囚が死刑台に向かう際、看守が呼ぶ言葉である。
この映画のラストは、本当に衝撃でしたし、人間の業を深く考える作品です。
“死ぬ前に後悔しない”ためにとは、今をどう生きるかに変換できます。
重ねて、私は、最期に『最高の人生だった!悔いなし!!』と笑顔で叫びたいです。
今、改めて考えてみませんか?死ぬ前にしたい事を
~あなたの死ぬ前にしたい10の事は何ですか~
今朝、テレビを見ていたら、タレントの久本雅美さんが、還暦を迎えるにあたり
『死ぬ前にしたい10の事』というお題に答えていました。
彼女らしい返答に朝から笑わせてもらいました。
さて、私の母は、末期の胃がんで、14年前に他界しました。
最後の一ヵ月間は、我が家で共に過ごしました。
母との思い出は、沢山の物語を紡ぐベースになり、そして、実際に物語になっているものもありますが。(その話は、また、別の機会に書きます)
こんな忘れられない思い出があります。
母が、亡くなる一週間前にとても晴れやかな表情で、
『私の人生最高だったわ!もう、何も悔いがない。私の人生、大勝利だったわ』と。
この時、母は、胃を全摘していたので、数カ月、もうすでに何にも食べられず、点滴のみで生きていました。勿論、歩行も困難で、私も、母の命が消えかかっているのが、手に取るようにわかりました。
自分の死期が近いと察しながら『最高の人生だった』と言い切れる母に、改めて大尊敬だし、大感謝して、
『私も、あなたの娘で本当に良かった。今度生れ変わっても、ママの子供でいたいな~。また、よろしくね💛』と言いました。
嬉しそうに微笑む母の、でも、少し寂しそうな姿が忘れられません。
でも、私は、この時、母との別れの悲しみよりも、これから、母の分まで強く生きて行く勇気をもらいました。
私も、死ぬ寸前に『私は、勝った!最高の人生だった!!』と言える、悔いのない日々を過ごそうと。
それが、更に『スマイル・エンジェル』として、おせっかいな行動の原動力になっているかと思います。
私の大好きな言葉に『人の前に灯りをともすと、自分自身もその灯りにてらされる』
という言葉があります。
また、諺にも『情けは人の為ならず』『恩送り』ていう言葉もありますよね。
人を笑顔にする。喜びを届ける。
死ぬ前にしたい事は、そればかりですかね。
なんせ、勝手に『スマイル・エンジェル』なんで。アハハハ~
次回には、タイトル通リの作品について書きます。
絶対にオススメ!人を幸せにする映画「グレイテスト・ショーマン」
👀 絶対必見!!👀
映画「グレイテスト・ショーマン」
(TheGreatestShowman)www.foxmovies-jp.com/greatest-showman
☆彡 極上のミュージカル・エンターティメント ☆彡
『最高の芸術とは、人を幸せにすること』
~The Greatest Showman~
この映画のテーマです。
最後のテロップで、このメッセージが表示された時、もう、立ち上がって(実際にはそうしてませんが)拍手喝采!!で泣き崩した顔の事などすっかり忘れて、しばらくその場を離れられませんでした。
皆様、この映画を観ましたでしょうか?
調べたら、都内の映画館では、明後日まで(探せばまだやっているかもしれませんが)
なので、まだ、観てない方に、是非オススメしたいので、宣伝します(私は、映画関係者ではありませんが)
💛女子の皆様は、明日の水曜日『レディス・デー』¥1100です。なので、明日、行きましょう!
この映画は、勝手に、私の過去鑑賞してきた映画データ中で、
ベスト3に入ります。
内容は、プレビューでお調べ頂けるので、割愛しますが。
もう、主演のヒュージャックマンが10年前から(あら、5年だったでしょうか)
とにかく長年、企画を温めてきたらしく、思い入れの強い作品だそうです。
なので、ご本人が歌って、踊って、笑わせて、泣かせて、
胸キュン💛キュン💛キュ~ン💛💛💛の100連発くらいの、
心をわしづかみ!される作品です。
これは、映画館の大迫力で、作品に入り込んで観て頂きたいです。
私も、どこかの映画館に駆け込みます!!
もう、沢山の名シーンの連続です。
私が、その中でも、『もう~、素敵!!』と悲鳴をあげたのが、
空中ブランコで若い男女が愛を育むシーン。
最高です💛(詳しくは、観てください)
勝手に妄想してました(笑)
こおゆう名作を観ると、
『最高の芸術とは、人を幸せにすること』
と思い、更に更に精進しよう!と発奮します。
私らしく、「スマイル・エンジェル」としての使命を果たせるよう、今日も、
ルンルン気分で、スマイル☺☺☺
どんなピンチでも希望があれば、前に進める映画「ショーシャンクの空に」
私は、いつも『希望』を持ち続けていきたいし、人はどんなに人生に絶望しても、
ほんの少しの希望があれば、前に進めると思います。
私が、好きな『希望』をもらえる映画をご紹介します。
『ショーシャンクの空に』(原題:The Shawshank Redemption)は、1994年に公開されたアメリカ映画。刑務所内の人間関係を通して、冤罪によって投獄された有能な銀行員が、腐敗した刑務所の中でも希望を捨てず生き抜いていくヒューマン・ドラマ[2]。
原作はスティーブン・キングの中編小説『刑務所のリタ・ヘイワース(Rita Hayworth and Shawshank Redemption)』。監督・脚本はフランク・ダラボンが務め、彼の初監督作品でもある。原題の「The Shawshank Redemption」は直訳すると「ショーシャンクの贖い」になる(作品解説も参照のこと)。
本作は興行的には成功したとはいえないが、批評家達からの評価は高く、AFIのアメリカ映画ベスト100(10周年エディション)において72位にランクインしており、日本では1995年のキネマ旬報ベストワン(洋画)に選ばれている[2]。また受賞には至らなかったが、第67回アカデミー賞で7部門にノミネートされた。
この映画で、主人公が冤罪で投獄されて、刑務所で日々、屈辱の仕打ちをうけながらも、決して『希望』を捨てずに様々な工夫をして過ごし、そして、最後には……。
このラストシーンで、主人公が雨に打たれながら叫ぶシーンは、もう、圧巻です。
このカタルシスの達成感は、物語として最高に素晴らしい結末だと。
私は、思います。
いつかこんな『希望』を与えられる物語を紡げたらと。
それは、私の創作の大いなる原点でもあります。
そう日々『希望』を抱き、日々精進ですね。
短編小説全文掲載「笑ってよ」実はR15指定?
第11回 タイトル「笑ってよ」R15指定
この物語は、2018年3月末の締め切りで書いたお話です。
お題が、著作権が50年経っている物語を2次創作するというものです。
なので『ロシア昔話:笑わない王女』をベースに創作しました。
私的には、全くのステキなファンタジーなラブストーリーですが、
これを読んだ夫が「(我が家の)子供には、読ませるな」との指定をされました。
ので、一応、我が家では、R15指定をしています。
きっと、我が家の子供や、その他のお子様が読む事はないかと思いますが。
読まれた皆様は、どうお感じになるか。
とても短い物語なので、また、全文掲載させて頂きます。
💛是非、感想を頂きたいですねぇ。💛
《あらすじ》
イケメン俳優の俺は、『笑顔がステキな貴公子』とのキャッチコピーで人気者に。しかし、ハネムーン先で、妻がバンジージャンプで事故死してしまう。その日から笑えなくなった俺は、脳の機能が壊死してしまう奇病になる。治療は、『笑う』事。出会ったマスクの女性は、俺を笑わせてくれた。その女性がマスクをはずすと…。
文字数:4122
❤=❤❤=❤❤❤ =❤=❤❤=❤❤❤ =❤=❤❤=❤❤❤ =❤=❤❤=❤❤❤ =❤=❤❤=❤❤
目覚めると、隣で笑美はまだ眠っている。
俺は、上半身を起こして背を向けて横向きに寝ている笑美の顔を覗き込む。
昨晩、激しく愛し合った後、そのまま眠ってしまったから、俺も、笑美も全裸のままだ。
艶やかな長い黒い髪。
肌理の細かい白い肌。
顔にかかった黒い髪をそっとかき上げ、
「やっと手に入れた宝物…スマイル・エンジェル」
笑美の耳にかけてある、マスクのひもを静かに外す。
外気に触れた肌が解放感からか、笑美の顔が小さく動く。
しかし、直ぐにまた、小さな寝息を立てる。
笑美の顔を見つめて、俺は、なるべく声を出さないように笑う。
やがてその笑い声は、だんだん大きくなっていく。
笑美が、俺の笑い声で目を覚ます。
目覚めた笑美を愛おしくて、力一杯抱きしめる。
「俺のスマイル・エンジェル。ずっと、俺を笑わせてくれ。愛しているよ」
また、我慢できなくなり、笑美の肌理の細かい白い肌を愛撫する。
笑美は、俺が外したマスクのひもを耳にかける。
そして、俺の愛撫に呼応して、マスクの中でくぐもった小さな官能の声をあげる。
全裸の笑美が、マスクをしているのは、理由がある。
大学生の時にアルバイトで始めたモデルの仕事でCMに起用された俺は、
『笑顔がステキな貴公子』とのキャッチコピーで一躍人気者に。
その後、映画やドラマの仕事でも成功し、アジアを中心に海外にも進出するようになった。
そして、前からファンだったアイドルから女優になった彼女と、30歳の誕生日を迎えた年に結婚した。
ハネムーンに出かけた南アフリカで、彼女は、バンジージャンプをするという。
正直、俺は、気が進まなかった。渡るだけでも、足がすくむような桟橋から、ダイブするなんて。
彼女にびくついているのをさとられまいと、笑顔で「お先にどうぞ」と譲った。
「本当は、怖いんでしょ。私が、お手本を見せてあげる」と彼女は満面の笑顔でダイブした。
彼女は、そのまま帰って来なかった。
勢いよくダイブした時に命綱が切れて、そのまま地面に打ち付けられてしまった。
その日から、俺は、笑えなくなった。
しばらく仕事も休んだ。
そして、復帰したCMの仕事では、以前のように『笑顔がステキな貴公子』を求められた。
しかし、どんなにしても俺は、笑顔が作れなかった。
マネージャーや担当の代理店の宣伝マンに別室で延々と励まされ、諭されても、俺の顔は、能面のように固まったままだった。
笑えないだけじゃなかった。
ドラマの仕事で台本を貰っても、全くセリフが覚えられない。
病院に行き検査すると、笑わない事で、ある脳機能が後退し、このまま笑わなければ、痴呆になりやがて、脳全体が壊死をしてしまうと。
笑わない事が、脳にそんな影響を与えるとは信じられずに、名だたる脳の専門病院を数件受診したが、見解は同じだった。
これといった薬もなく、唯一の治療方法はただ『笑う』事。
しかし、何をしても、何を見ても笑えなかった。
鏡を見つめて作り笑顔をしようとしても、俺の顔は、ピクリとも動かない。
そんな自分を情けなく、また、惨めになり、ほとんど外に出なくなった。
仕事もこなくなり、引きこもっていたある日、強烈な歯の痛みに襲われた。
仕事をしていた時は、毎月口腔ケアをしていたが、しばらくの不摂生な生活から虫歯ができたらしい。
以前の行きつけの歯科で虫歯の治療をしてもらい、診察台で横になっていると、マスクをした歯科助手の女性が入ってきて、診察台を元に戻しながら、
「今日の診察は、これで終わりです。……あの、笑えますか?」
何を聞かれているかわからなくて「はっ?」と聞き返す。
歯科助手の女性は、マスクで顔のほとんどは隠れているが、二重で切れ長の目元は、真剣な表情で、
「笑えないって、本当ですか?」
俺の近況は、マスコミでも報道されているから、知っているのだろう。
「ああ。はい……」
「あの、私、仕事があと一時間後に終わります。大事なお話がありますので、少し、お時間取って頂けないでしょうか」
切羽詰まったような、真剣な様子のこの歯科助手の女性の誘いを受ける事にした。
一時間後に指定された駐車場に、歯科助手の女性は、胸元まで下した真っすぐな黒髪に不似合いな地味な着古したトレーナーにデニムパンツ姿で現れた。
そのままマスクをしていたので、先ほどの歯科助手の女性とわかった。
車の助手席に座った歯科助手の女性は、シートベルトを締めると、
うつむいたまま「少し、ドライブしませんか」と申し訳なさそうに言う。
車を発進させて、さて、どこに行こうかと考えをめぐらせる。
外は、すっかり暗くなり、都会のネオンが煌めいている。
「あの~、どこかで食事でもしましょうか?」とうつむいたままの歯科助手の女性に尋ねる。
「いえ。この近くに桜がきれいな墓地があります。そこに連れて行って頂けますでしょうか」
言われたとおり、都会のど真ん中の墓地の近くのパーキングに車を停めた。
桜は、ほとんど散ってしまい緑の葉がついた桜の木のトンネルをうつむいたままの歯科助手の女性と並んで歩く。
「あの~もしかして、花粉症ですか?」
歯科助手の女性は、立ち止まって、俺を見つめる。
「いや、仕事が終わっているのに、マスクしたままだから。まだ、この時期は、花粉すごいんですよね。俺は、そうじゃないから、わからないけど」
歯科助手の女性は、首を振り、小さな声で「違います」と言い、また、歩き始める。
俺も、少し後を歩くと、歯科助手の女性が立ち止まる。
俺も、立ち止まると、歯科助手の女性は、背を向けたまま
「私、あなたに、笑ってほしくって」
「……」
「ずっと、あなたのファンで、あの歯科に通っているって知って、転職したんです。
でも、あなたは、しばらくお仕事も休まれて……報道で笑えない病気だって知って」
ゆっくり歯科助手の女性は、振り返って、俺達は向かい合う。
「私、あなたに笑ってほしい……」と言いマスクをゆっくりはずすと。
俺は、街灯に照らされた歯科助手の女性の顔をじっと見つめた。
しばらく見つめていると、
自分では抑える事のできない、込み上げてくる感情が湧き上がる。
そして、まるで嘔吐するように、俺は、笑った。
その笑いは、しばらく続いた。
やっと、気持ちが落ち着き
「…ご、ごめん。ほとんど初対面の、それも、女性を見て笑うなんて…」
「いいんです。私は、あなたに笑って欲しかったので」
そう言って歯科助手の女性は、泣き出した。
「いゃ、ほんと、ごめん。俺、君を傷つけてしまって…」
と言いながら、また、込み上げてくる笑いを抑える事ができなくて笑ってしまう。
歯科助手の女性に背を向けて、やっと笑うのを抑えていると。
「私、嬉しくって泣いているんです。あなたが、笑ってくれて。心から嬉しいんです」
「俺も、嬉しいよ。こんなに笑えたのは何年ぶりだろう。笑うって、こんなに幸せな気持ちになるんだなって、はじめて知ったよ」
「あの…、大変にぶしつけな申し出なんですが、私を、雇ってください」
俺はゆっくり振り向き、
「雇うって?」
「マネージャーさんはいらっしゃると思いますし、お仕事のマネジメントは私にはできませんので、あなたの、身の回りのお世話をさせていただければと存じます。家政婦というか、付き人といいますか」
「君が…」
「お給料はいりません。今、一人で暮らしていますので、恐縮ですが、住み込みでお食事だけいただければ結構です。でも、もしも、恋人がいらっしゃるなら……」
「いないよ。妻が死んでから、ずっと一人さ」
「あなたが、また、以前のように笑えるようになったら、私は、あなたの前から消えます。この関係は、一切口外しません。そして、二度とあなたの前には現れませんので」
真剣に俺を見つめる歯科助手の女性の目は、とても優しくて、全てを受けいれてくれる暖かな光に満ちていた。
吸い込まれるように、気が付いたら、歯科助手の女性を思いっきり抱きしめていた。
長い黒髪からは、ほのかに石鹸の香がする。
固くなったままの体が少しずつほぐれていくのが伝わってくる。
「名前、教えてくれないかな」
「…えみです。笑うに美しいと書きます」
「笑美さん…。出会ったばかりだけど、お願いします。俺のそばに居てくだい」
そして、笑美は、俺の家で一緒に暮らしはじめて、俺達は、必然的にこうして愛し合うようになった。
はじめて俺達が結ばれた時。
笑美の体は官能的で女性としての魅力に満ちていた。
愛撫している俺は、今まで経験したことのないほどの高揚感で合体しようとしたが、笑美の顔を見た途端、笑いが止まらなくなった。
そうしているうちに俺の息子は使いものにならなくなった。
「ごめん。俺、どうしたんだろう。気持ちは、いきたいんだけど…」
笑美は、静かに全裸のまま、マスクをつけて、
「これでお願い致します」
「えぇ~。ホントに?」
「はい。正直、私も、あなたが初めてではありません。以前はこうしていました」
笑美には申し訳ないと思ったが、全裸でマスクをした笑美に俺は、メチャクチャ欲情した。
野獣のごとく笑美に突入して、それに、笑美も応えてくれた。
それから、ずっと、このスタイルで俺達は、愛し合うようになった。
笑美が傍にいてくれるようになり、俺は、前のように笑えるようになった。
亡くなった妻には申し訳ないが、今の俺には、笑美なしでは生きていけないほど、愛する人だ。
仕事も、前よりも、質の高い、いい仕事が入るようになった。
マネージャーが言うには、笑美と暮らし始めてからの俺は、数段、男前になったそうだ。
内面から滲み出る色気や人間としての魅力が増したと。
笑美と暮らし始めて一年が過ぎた頃、俺達は、南の島の教会で、二人きりの結婚式をあげた。
神父に促されて、誓いのキスをするのに、純白のウエディングドレスのベールをあげて、笑美の顔を見つめると、また、笑いが止まらなくなる。
最初は怪訝な様子の神父も、笑美の顔を見て、必死に笑いをこらえている。
なんとか、笑美に誓いのキスをして、俺は、心から誓った。
笑美、一生君を愛するよ。
君がそばにいていてくれたら、ずっと俺は、こうして笑っていられる。
そう、笑美は、俺に、笑顔を運んでくれる天使だから。
おわり
❤=❤❤=❤❤❤ =❤=❤❤=❤❤❤ =❤=❤❤=❤❤❤ =❤=❤❤=❤❤❤ =❤=❤❤=❤❤
この物語を読んだ夫は「笑美が“どんな笑える!(^^)!顔”かの描写があった方がいい」
としつこく主張していました。
私は、映像的には、読者の方に自由に想像・妄想して頂きたいと思い、書きませんでした。
これも、ご意見・ご感想を頂きたいですね。
《是非、ご感想・ご意見、欲しいわ~リスト》
- R15指定は必要か?
- 笑美の顔の描写は必要か?
- 物語が短すぎる?
- その他、何でも!
天文・宇宙大好きな私が紡いだ物語は、こうして生れました👽
タイトル「王子様は宇宙人」
明日は、七夕です。
その星空気分にちなみ、宇宙人との恋の物語のご紹介をします。
このお話は、昨年、私がよく投稿するブックショートというサイトにて、
お掃除グッズのメーカーさん主催で、テーマが『日本のキレイ』でした。
日本人のキレイ好きは、世界でもピカ一ですが、その心を次世代までも継承していくには?とのメッセージを伝える作品の募集でした。
私は、スケール大きく、キレイ好きな日本人女性が、他惑星の星の王子様に見初められてというお話にしました。
しかしながら、選考落ちでしたので、『全く、ボツ』な作品です。
でも、物語の大枠は、夢があって、私は、好きです。
こちらも、大賞は、映像化だったので、受賞者が羨ましいです。
短編なので、思い切って全文掲載してしまいました。(ギャオ!(^^)!)
読んで頂けたら、嬉しいです。
そして、私の、趣向する物語の方向性が見えてくるかと思います。
文体が、シナリオぽいですが。(文学性には欠けます。予め、ご了承ください)
《あらすじ》
時は、少し未来。宇宙は惑星同士が交流する時代。
29歳の独身OLの美輝さんは、キレイ好き。毎日、一番に会社に出社し、自主的にトイレ掃除をしている。ある日、新入社員として帰国子女の真珠さんが入社。後輩として様々お世話をするが、真珠さんの本当の目的とは。
《本文の文字数》9,950
時は、少し未来。宇宙は、惑星同士が交流する時代。
テレビのニュース番組で女性アナウンサーが「アルナイル星の王子、シリウス王子がお妃候補の人選をこの日本で行っている事が明らかになりました」
グリーンとブルーがマーブル模様になった美しいアルナイル星の惑星の映像に20台代の後半のイケメンのシリウス王子の笑顔の写真が画面一杯に映しだされる。
女性アナウンサーが「お妃候補が、沢山の惑星の中でこの地球、そして、日本が選ばれた事は、大変に光栄な事です。シリウス王子のハートを射止めるのは、一体どのような女性なのでしょうか。世界中の注目です」
鏡に向かって、肩までの髪をアップにして、編み込みをしている美輝さんが、最後の仕上げに取り掛かりながら、チラリとテレビを見て、「王子様は宇宙人か~」
美輝さんは、あと3ヶ月で30歳になる、独身OL。自宅から、40分の会社に通勤している。
そして、美輝さんが一人で暮らす部屋はフローリングの4畳半と6畳の洋間にダイニングキッチンがある。部屋はきちんと整理整頓されていて床のフローリングにもキレイにワックスがけしてあり美しい光沢がある。
髪をキレイに整えた美輝さんは、ダイニングキッチンのテーブルに用意された和食の朝食を食べる。
横には、彩きれいなお弁当が置かれている。
ご飯を食べながら「ん~美味しい」と満足な笑みを浮かべる美輝さん。
オフィス街に立ち並ぶ立派な、高層ビルに入って行く美輝さん。
入口に総務部と書かれた表札の部屋に入って行く制服姿の美輝さんに、中で「今日も、早いね」と言い、笑顔であんぱんと牛乳を頬張る課長さん。
「おはようございます。そおゆう課長も早いじゃないですか」と荷物を置き、笑顔で応える美輝さん。自分の席の机の引き出しからエプロンを出して身に付ける。
アンパンを食べ終えて、牛乳を飲み干した課長さんが、「俺は、満員電車が苦手だから、始発で出社だけどさ。君は、入社以来―、っていうと?」
「9年と9ヵ月です」
「そんなになるのか。毎日偉いよ。ほんと頭が下がるよ。そうだ。今日から新人さんが入るから、よろしく頼むね。君に任せておけば安心だからな」
「はい。承知しました。じゃあ、巡回行ってきます」
美輝さんが女子トイレの中に入り、ボックスの中のトイレや洗面台などの汚れをチェックする。汚れを見つけては、拭き掃除をする。手慣れた手つきで、素早くこなしていく。
その後も、まだ、始業前なので、男子トイレにも入って行き、チェックをし簡単な掃除をする美輝さん。
総務部に戻った美輝さんに課長さんが、若い女性の新入社員を紹介し、
「こちら、今日から、我が総務部に配属された新星真珠(しんせい・まこ)さんです。新星さんは、帰国子女で、日本での生活は短いらしいから、色々わからない事が沢山あるかも知れないけど、よろしく頼みます。こちらは、我が総務部、いや、我が社の自慢の女子職員ですから、何でも教えてもらってくださいね」
美輝さんは、うっとりするほど美しい顔立ちの真珠さんに見惚れているが、課長の振りに我に返り、慌てて「よろしくお願いします」と挨拶をする。
真珠さんも美しい笑顔で「どうぞよろしくお願い致します」と挨拶をする。
美輝さんが真珠さんを連れて、会社の各フロアを案内する。どのフロアも、きちんと整理整頓してあり、キレイな環境に整えられている。
廊下を並んで歩く美輝さんに真珠さんが「日本の会社って、本当にキレイですね」
「そうね。我が社は、扱っている商品がお掃除の製品だから、特に注意して整理整頓と社内の清掃を心がけているのよ」と美輝さんは、真珠さんをトイレに案内する。
「ここが一番キレイじゃないといけない場所なのね」と美輝さんが、洗面台などに飛び散った水滴や髪の毛をペーパーでさっと拭き取る。
それを見て「あの~トイレのお掃除も、私達のお仕事なんでしょうか?」と遠慮気味に真珠さん。
「お掃除をしてくれる方を雇っているので、私達、社員がしなくてはいけないわけではないです。でも、自分が使った時に汚れていたら気が付いた人がお掃除すればキレイな状態が保てて気持ちいいですよね」
「それって、自分がですか?」
「自分もですけど、他に使う人も気持ちがいいですよね」
「はぁ~。他に使う人が…。そう、ですね…」
広い社員食堂は、お昼時間で賑わっている。
一角に数人の女子社員に混じって、美輝さんと真珠さんが向かい合い座っている。美輝さんは、手作りのお弁当を広げている。真珠さんも、他の女子社員たちも、トレーに乗せられた定食を食べている。
真珠さんが美輝さんのお弁当を覗き込み「ご自分で作られたんですか?」
「ええ」と卵焼きを頬張る美輝さん。
ぽっちゃりの女子職員が茶化すように「美輝先輩は、お料理上手でキレイ好きで、仕事もテキパキこなすのよ~。そんな、女子力が高い先輩が、なんで、お嫁に行けないのか、これ、我が社の七不思議なのね~」
「ちょっと、私は、お嫁に行けないんじゃなくて、今は、まだ、そおゆうお相手がいないの」と美輝さんが、お箸の先で制する。
痩せてメガネをかけた女子職員が「美輝先輩は、理想が高いんですよ。この会社の中だって、先輩を狙っている奴は、私が知っているだけでも、数人はいるもの」
「あら~、そうなの~そんな話、初めて聞いたな~」と気にとめるでもなくお弁当のおかずを食べる美輝さん。
「そういえば、今朝のニュースでアルナイル星のなんとか王子が、ここ日本でお嫁さんを探しているってやってたでしょう。アルナイル星の王子様、見た目もイケメンだし、いいな~」とうっとりとするぽっちゃりの女子職員。
真顔になった真珠が「シリウス王子です」
「そう、そんな名前だったわね。でも、なんでこの日本で花嫁を探すのかしら?自分の星に素敵な彼女が、見つからないのかしらねぇ」とぽっしゃり女子職員が、定食のおかずを食べる。
真顔のままの真珠が少し早口で「シリウス王子様は、今後の自国の発展の為にも、高品質なDNAを求めています。宇宙の中でもこの地球は、一番美しい星と評判で、その中でも、この日本は、伝統的に美観を大切にします。街は、どこも清潔でキレイです。公共の場も自分以外の人も利用するので、勝手に汚してはいけない、という、いつも他人の立場に立って物事を考えるという教育が、全国民に染み込んでいます。それは、他の国にはない特性です。」
ぽっちゃり女子職員と痩せたメガネ女子職員が口をあんぐりと開けて真珠さんを見つめる。
2人の反応に「あ、真珠さんは、海外生活が長かったらしくって、客観的に日本を見ているのね」と美輝さんがフォローする。
笑顔になり真珠が「私の情報プログラムには、そのように登録されています」
「なんか、おもしろい方ね~真珠さんて」と顔を引きつらせたメガネの女子職員。
それから一週間が経ち、ある朝、美輝さんが会社に出社すると、エプロンを付けた真珠が笑顔で
「おはようございます。美輝先輩お待ちしていました」
「あら~、真珠さん、早いわね~」と笑顔で応える美輝さん。
「私も、美輝先輩に見習って、キレイで快適な環境づくりを身に付けたいと思います。」
「(笑って)そう、では、行きましょうか」
「はい」
美輝が男子トイレへ、真珠が女子トイレへと入って行く。
美輝は、手慣れ手つきで、男子トイレの点検をし、清掃をする。
真珠は、まるでロボットのような動きで、女子トイレを指で一つ一つ確認しながら、点検し清掃する。
そして、あるお休みの日の午後、美輝さんは、課長さんからの連絡を受けて、大きな大学病院の病室へ。
課長からの連絡によると、真珠さんが一人で住むアパート部屋の上の部屋から出火し、真珠さんの部屋の天井は、焦げてしまい、消防で真珠さんの部屋は水浸しになったと。
この時に真珠さんは煙を大量に吸い込み、意識を失い、救急車で病院へ搬送されたそうだ。
6人部屋の一番奥のベットに診察服姿の真珠さんが横たわってる。
美輝さんに気が付き笑顔になる真珠さんに「大丈夫~?」と駆け寄る美輝さん。
「はい。生きています」
「課長から連絡もらって、びっくりしたわ。でも、無事で本当に良かった」
「私も、気が付いたらこの病院でした。これは、全くの想定外だったので、プログラムが誤作動して、一度は、再起不能になったようです。まだ、任務が遂行されていませんから復活できて良かったです」と一気に早口に言う真珠さん。
美輝さんは、話の内容に多少の不自然を感じるが「命が助かって良かったわ」
「はい。この度、予測不能の事態ではありましたが、病院に入院できた事で改めて、日本のキレイを知る事ができました」
「日本のキレイ?」
「この病院は、朝・昼・晩と清掃員の方が簡単なお掃除をしてくれます。そして、この床も
特別なワックスを床に施し衛生的にかつ美観を維持しています。更に強力洗浄と除菌・消臭を同時に行える洗剤で清掃しているので院内感染などの心配もなく安心して過ごすことができます」
「真珠さん、いつの間に、そんな情報を…」と戸惑いながら、床などを見回す美輝。
「はい。私は、衛生状況には、過敏に反応するようにプログラムされていますので」
「プログラムねぇ…」
「日本に来て、靴が汚れないという事が素晴らしいと思います。道は、キレイに舗装、整備されていますし、建物の中も床がキレイに磨かています。そして、この病院では、キレイだけではなく、衛生的に整備されています。日本のキレイは、この惑星の最大の誇りです」
「真珠さんが言う通リね。ずっとこの状態で生活してきたから、当たり前だって思っていたけど、日本のキレイは、自慢の文化なのね」
「はい。本当に素晴らしいです」
「だけど、真珠さん。退院してからが困るわよね。元のお部屋は、水浸しですぐには生活できないし。確か、ご家族も海外にいらっしゃるんでしょ?」
「はい。とても遠い所に住んでいます」
「良かったら、私の部屋にこない?」
「それは、大変に嬉しいです。その方が、今後の私の任務もスムーズに行えます」
美輝さんが遠慮がちに「あの~、任務って――、一体、何なのかしら?」
「それは、今は言えません。しかし、心配しないでください。決して犯罪や危険な事ではありません。」とニッコリ微笑む真珠さん。
翌日に退院した真珠さんは、美輝さんの部屋で一緒に暮らす事になり。
美輝さんの部屋をひと通リ案内してもらった真珠さんは「さすが、美輝先輩のお部屋ですね。お掃除がキレイにされていて、ほら、床も、ピカピカで光沢があって美しいですね。こんな快適なお部屋でこれから過ごせると思うと嬉しいです」
「褒めて頂いてありがとう。私の、おばあちゃんも、お母さんも、いつもキレイにしていたから、キレイにしてるのが、習慣になっているのよね」
「キレイにする事が習慣になるとは、やはり、良いDNAは、継承されていくという証明ですね。これは、貴重なデータです」と真顔で言う真珠さん。
「ねぇ、もしかして、真珠さんって、どこかの国の掃除会社の社員で、その…言い方悪いけど、スパイ?なんじゃないの」
「なるほど。美輝先輩、鋭いですね」
「えっ!?ビンゴ!!」
「ビンゴ?それは、どおゆう意味ですか?私の翻訳データにはありませんので、理解不能です」
「あ、ごめんなさい。その真珠さんがスパイって、当たっていますか?って言う意味なんだけど」
「正確には、ハズレです。私は、他の国の清掃会社の社員ではありませんので」
残念そうに美輝さんが「そうなんだ~。あ、ごめんなさいね。色々詮索しちゃって。真珠さんが、本当の事を話してくれるまで、待つわ」
「はい。美輝先輩の望は、近い未来にとても良い結果として出ると、私の受信データが反応しています」
「真珠さんって、なんか、不思議な人ね」
「それは、どおゆう意味でしょうか」
「どおゆう意味?ん~だって、翻訳データとか、受信データとかって言うじゃない。まるで、機械みたいっていうか…。あ、ごめんなさい。海外生活が長かったからよね」
真珠さんの目が一瞬ピカッと光るが、美輝さんは、気づかない。
「さぁ、この話は、やめにして、少し早いけど、晩御飯にしましょうね」
美輝さんは、ダイニングキッチンに行き、手早く食事の支度を始めながら、
「今日は、疲れているでしょうから、真珠さんは休んでいて~」
「はい。ありがとうございます」と言い、ソファに座って美輝さんをじっと見つめる真珠さん。
美輝さんを見つめる真珠さんの目が、大きく見開かれ、強い光線のような光が放たれる。
真珠さんの視線に気が付かずに、テキパキと食事の支度をする美輝さん。
それから、一週間後の日曜日の朝。
大きな公園で、美輝さんと真珠さんがゴミ袋を持ち、捨てられている開き缶やペットボトルを拾う。公園のあちこちでも、中高年層や高齢者の男女が同じようにゴミ拾いをしている。
ゴミを拾いながら美輝さんが「ごめんなさいね。真珠さんにも手伝わせてしまって」
「いえ。こんな体験は、初めてなので、楽しいです。キレイ好きな日本人も、こうして、ゴミを散らかすんですね」
「そうね。この清掃活動は、月に一回だけど、結構、ゴミが捨てられているのよね」
20個程の一杯になったゴミ袋が一か所に集められている。
その近くで、ベンチに並んで腰掛けて、ペットボトルのお茶を飲む、美輝さんと真珠さん。少し離れたベンチに腰掛けている男女の高齢者のご夫婦。
男性の高齢者が美輝さんに「今日は、また、若くて偉いべっぴんさんを連れてきましたね」
「そうなんですよ。私の会社の新人さんなんですよ」
高齢者の女性が「お掃除は、昔から身も心もキレイにすると言われていますからね。お二人とも、ますます、美しくなりますね」
真珠が「お掃除は、昔から身も心もキレイにするとは、何の、データベースでしょうか」
高齢者の女性が困ったように「データ…ベース?」
美輝さんが「つまり、昔からの言い伝えとは、具体的に誰が言った事ですかって、質問かしらね」
高齢者の男性が「それは、お釈迦様が掃除の五つの功徳と言われています」
美輝さんが、分かるかしら?といいう風に真珠を見ると。
真珠が察して「お釈迦様という人物は、わかりますが、功徳?とは何でしょうか」
「まぁ~ご褒美っていう事ですかね」と男性の高齢者が笑顔で答えて、
続けて「そのお釈迦様が、掃除をすると1、自分の心が清らかになる。2、他の人の心を清らかにする。3、この世の全ての存在が生き生きとする。4、すっきりと美しい行為の種がまかれる。5、死後、必ず天上に生を受ける。って言われていますよ」
真珠が「最後の、死後、必ず天上に生を受ける。とは、どういう意味ですか」
高齢者の男性は、笑顔になり「私も、まだ、体験してないからわかりませんがね。きっと、今の肉体が亡くなって、魂だけになった時に、自分が願った通リの最高の状態で、また、生れてこれるって事でしょうかね」
真珠の目が、また、一瞬、ピカッと光り「そうですか。お掃除をするという事は、そんなに素晴らしいご褒美をもらえるんですね。その偉い人の教えが、この国、また、この星の人々の心にしっかりと継承されているんですね」
「そうでない人達も、沢山いますけどね。でも、その心は、いつまでも大切にしていきたいですね」と男性の高齢者が言う。
「その心は、必ず、継承されていきます。ここにいらっしゃる、美輝先輩がその使命を果たしてくれるはずです。私は、そのように、報告します」と真珠の目がピカッと光り、美輝をじっと見つめる。
真珠の目の輝きに少し動揺しながら美輝が「そ、そうよね。これから、私達が、自分の子供達にも、きちんと伝えていかなくちゃね」
「はい。高品質のDNAを残して行く事。それが一番大切な任務であります」と更に目を光らせて遠くを見つめる真珠。
真珠のリアクションに違和感を感じる、美輝。
その日の晩、美輝さんの部屋のべランダで、パジャマ姿の真珠さんが、夜空を見上げていると、お風呂上りで、パジャマ姿の美輝さんがベランダに出て来て、
真珠さんと同じように夜空を見上げて、美輝さんが「あ~、随分と星がキレイに見えるわね」
「美輝先輩は、ここではない惑星に行ってみたいとは、思いませんか?」
「そうね~。ごく一部の人が、宇宙旅行に行った話をテレビで見たりして、いいな~って思うけど、実際は、まだ、すごくお金がかかるし、いろんなテストがあって、簡単には行けないしね」
「でも、お金もかからずに、簡単に行けるなら、行ってみたいと思いますか?」
「そうね。死ぬまでには、一度、行ってみたいかな~」
真珠の目が、ピカッと光り「承知しました。そのように報告します」
「あのさ~。また、こんな事、聞いて悪いんだけど、真珠さんは、誰に、何を報告するの?」
「それは、今は、言えません」
「そう…よね…」
「美輝先輩、もうすぐ、お誕生日ですよね。正確には、あと15日後ですが」
「え~、そうだけど、どうして知ってるの?」
「私の、基本データにそう登録されています」
「基本データ?まぁ、同じ会社の総務部だもんね。調べればすぐにわかるわね」
「この国の厚生労働省の情報によりますと一般の女性の結婚適齢期は、29.4歳となっています。そうしますと、美輝先輩は、現時点で、まさしく結婚していい適齢期という状態ですね」
「そんなに客観的に言われるねぇ~。確かに、あと15日で30歳だから、その一般的な結婚適齢期を迎えてけど…」
「美輝先輩は、今現在、結婚を前提にお付き合いしている、男性はいないし、その気配も感じられませんが、間違いないでしょうか?」
「また、そんなに客観的に言われるとねぇ~。その通りだけど」
「では、結婚したいと言う意思は、ありますか?」
「それは、…あります」
「承知しました。美輝先輩のような素敵な女性にふさわしいお相手が、もうすぐ、現れると思います」
「それは、それは、ありがとうございます」
笑顔で、夜空を見あげる、美輝さんと真珠さん。
夜空に無数に輝く星々の中にひときわ大きく明るく輝く星が、ピカッピカッと点灯している。
真珠さんは、その星をじっと見つめて、そして、真珠さんの目が、今までで一番強く光り。
夜空を見あげている美輝さんは、その、真珠さんの目の光に気づかないで、とても幸せな気分に浸っていました。
そして、美輝さんのお誕生日の日。
いつも通リに仕事を終えた美輝さんと真珠さん。
会社を一緒に出ると真珠さんが「今日は、美輝先輩のお誕生日ですから、ちょっと一緒に行って頂きたい所があります」
「え~、どこに?」
会社を出た道路に大きな黒塗のリムジン車が停まっていて、黒いスーツに白い手袋をした運転手がドアを開けて立っている。
「さあ、どうぞ、乗ってください」と笑顔の真珠さん。
「えっ。でも、どこに行くのかしら?」と不安がる美輝さんだが、体は自然と車に吸い寄せられるように乗り込む。
そして、真珠さんも、車に乗り込むと、車は、静かに動き出し、美輝さんは、ふかふかのシートに寄りかかり、そのまま、深い眠りに落ちて行く。
車が、静かに停まり、美輝さんが目を覚ますと辺りは、真っ暗闇。
真珠さんが「さあ、到着しました」と言い先に降りるので、美輝さんも続いて車から降りた瞬間に強烈な光に照らされる。
美輝さんが、手で光を遮りながら、目を凝らすと目の前に巨大なドーム型の宇宙船が。
そして、ドアが開き、中から、一人の男性が降りてくる。
真珠さんが、美輝さんをそっとエスコートするように「さあ、参りましょう」と促す。
光の反射で男性の顔は見えないが、美輝さんと真珠さんが近くまで行くと、
「やっと、お会いできましたね」と笑顔でいう男性。
美輝さんは男性の顔を見つめて、どこかで、見たようなうなと必死で記憶を辿る。
真珠さんが「シリウス王子様、スピカ、任務を完了いたしました」
男性と真珠さんと見比べて美輝さんが驚き「え~、あの。シ、シリウス王子様って!?え~!本物ですか?」
男性は「はい。初めまして。私は、アルナイル星のシリウスです。お目にかかれて光栄です」
その後、ひとしきり、大騒ぎした美輝さんも、やっと落ち着き、宇宙船の中へ乗り込み。
美輝さんは、シリウス王子にエスコートされて、宇宙船の中の180度ガラス張りの広い室内に案内される。
美輝さんが、辺りをキョロキョロと見回していると、軽い振動がして、窓の外の景色が高速で変わって行く。
笑顔のシリウス王子が「今日は、美輝さんのお誕生日と聞いています。是非とも、お見せしたものがあります」
いつの間にか、体にピタリとした宇宙服に着替えた真珠が横に立っている。
シリウス王子が真珠を見て「私の、部下のスピカが、大変にお世話になりました。心から御礼申し上げます」
「スピカって。真珠さんが、王子様の部下?ですか?」と美輝さんが真珠を見る。
「私の名前は、スピカと言います。日本語に翻訳すると真珠と変換されます。シリウス王子様のお妃候補の美輝先輩の素行を調べる為に地球に参りました」
シリウス王子が「彼女は、スピカは、実は、ロボットなんです」
「真珠さんが、ロボット!?な、なんか…色々と理解が難しい事ばかりで…」と困惑する美輝さん。
「シリウス王子。私は、美輝先輩が、我が、アルナイル星の王妃にふさわしい方と判定しました」
真珠さんの報告を受けて満足そうにシリウス王子が「実は、スピカに搭載している特殊なカメラで、美輝さんの生活を見させて頂きました」
「え~そ、そんな~。私の、え~。嫌だわ~」と困惑する美輝さん。
宇宙船の窓からは、漆黒の宇宙にひと際美しく輝くグリーンとブルーの惑星が見えてくる。
シリウス王子が「さあ、こちらにいらしてください。あちらに見えるのが、アルナイル星です」
美輝さんは、アルナイル星を見つめて「なんてキレイなんでしょう」とうっとりする。
「美輝さん。私と結婚してくだい」とじっと美輝さんを見つめるシリウス王子。
「け、結婚って。いや、あの、私が、王子様とですか?」
「はい。私と結婚して、アルナイル星で一緒に暮らしてください」
「で、でも。私、今日、王子様と初めて会ったばかりだし、結婚っていうと、その…」
「そうですよね。私は、スピカを通して、美輝さんを充分観察させて頂きましたが。どうでしょうか、このまま、少しの間、私と一緒にアルナイル星で過ごしませんか?」
「え~、私が、アルナイル星で、王子様と一緒に過ごすんですか?」
「お嫌ですか?」と爽やかなシリウス王子の笑顔に、
「いえ、はい。伺います」とコクリと頭を下げる美輝さん。
それから、あっという間に地球では、半年ほどの時が過ぎ。
テレビで中継で、女性アナウンサーが
「今日は、アルナイル星と宇宙中継がつながっています。世界中が注目した、アルナイル星のシリウス王子が、ご婚約を発表されます。お相手は、日本国籍の池田美輝さん、30歳です」
後ろのモニターにシリウス王子と並んだ美輝さんの映像が映される。
美輝さんの会社の会議室に集まった沢山の社員達も、テレビ画面を見ている。最善列に陣取った課長さんとぽっちゃり女子職員とのメガネの痩せた女子職員がいる。
ぽっちゃりの女子職員が、テレビ画面の美輝さんを見て「あ~、美輝先輩ったら、すっかりキレイになっちゃって~やっぱり、女は、恋をするとキレイになるのね~」
メガネの痩せた女子職員も真顔で「あの美輝先輩が、まさか、アルナイル星の王子様と結婚するなんて。羨まし過ぎるんですけど」
モニターに映されたシリウス王子が「私は、この度、池田美輝さんと結婚する運びとなりました」
女性アナウンサーが「この度は、大変におめでとうございます。シリウス王子様は、池田美輝さんのどのような所に惹かれたのでしょうか」
シリウス王子は、隣の美輝さんを慈しむように見つめて、
「私が、一番、美輝さんに惹かれた所は、「キレイ好き」である事です」
課長さんが大きく頷き「そうだ。その通リ!」
更にシリウス王子が「彼女は、自分の身の周りのみならず、周りの方々に対しても深い思いやりと誠意を持って接し、常に目配り、気配り、心配りのできる素晴らしい女性です。日本の古くからの言い伝えで、名前は、その人の人格を表すと聞いていますが、美しく輝く美輝さんは、まさしくその名前の通リの方です」
恥ずかしそうに、微笑む美輝さん。
「私達の結婚で、宇宙の中で最も美しい惑星の代表である地球とアルナイル星が永遠に美しく輝き続ける事を願います」
微笑み合い、見つめ合うシリウス王子と美輝さん。
漆黒の宇宙にひと際美しく並んで輝く、地球とアルナイル星。
こうして両惑星のキレイは末永くつづいていくのでした。 おわり
竜が願いが叶えてくれるなら、何をお願いしますか?
タイトル『竜になったカメと僕』
文字数19371(400字/48枚)
小学生向けの児童文学の募集で、おそらく、2013年くらい書いた物語です。
この物語は、その後、シナリオにして、テレビ局のコンクールにも応募しました。
この物語が生れたのは、私の二人の子供たちが通う小学校に、プールの半分くらいの大きさのカメ池からでした。
子供が入学した時に初めてこのカメ池の存在を知り、20匹?はいそうな(正確な数は、未だ知りませんが)中が濃い緑がかかっている、いかにも入りたくない体裁のカメ池に、「これは、物語ができる!」と閃きました。
また、この小学校のシンボルが竜で、校舎の壁面にカワイイ、竜の大きなイラストが描かれいます。
カメと竜。これは、物語になりますよね。
中国の故事の『登竜門』=こいのぼりの淵源となったお話になぞらえて、少年が、人間的に成長していく姿をカメが竜に変身する事と重ねて物語ができました。
この物語は、大竜小学校(この地域には昔、大きな竜が住んでいたとの言い伝えがある)に通う小学校5年生の男子、翼君は、引っ込み思案で友達がいません。
毎朝、早く登校しては、主事さんから餌をもらい、カメ池のカメにエサをあげるのが日課です。
そんなある朝、いつものようにカメにエサをあげていると、どこからか声がします。
低く、くぐもった声で『オマエノ、ノゾミハ、ナンダ』
辺りを見回しても、誰もいません。
そこには、背中に金の稲妻模様のあるカメが一匹いるだけです。
そのカメが、また『オレハ、リュウニ、ナル』と話すのです。
このカメ曰く、台風の後の空に虹がかかる時、そこには百年に一度だけ、竜が空に舞う。
その時に一つだけ竜に願いを叶えてもらえると。
カメは、自分も、竜になるとの願いを叶えてもらうんだと言います。
しかし、この竜に出会える条件は①正義の人②勇気の人③親孝行の人
を満たさなければならないとも。
カメは、翼は特別な選ばれた人だから、この3つの条件を満たせば、竜に出会い、願いを叶えてもらえると教えられます。
翼が、叶えたい事は、うつ病になり仕事を休んでいる父親の病気を治すこと。
そうする事で、ダブルワークをしている母親が楽になると思います。
そうして、不思議なカメとの交流を通して、3つの条件を満たすために、翼君は、様々な挑戦をしていきます。
その過程で、はじめてできた親友の同級生の弟が病気で手術をする事になります。
3つの条件をクリアした翼は、いよいよ、竜に出会える日を迎えます。
しかし、竜に叶えてもらえる願いは一つだけ。
翼は、お父さんの病気も治したいのですが、親友の弟の病気を先に治してあげたいと思います。その事を両親にも伝え、運命の竜との対面の日。
虹の彼方に舞い昇る背中に稲妻模様の竜に翼は、願い事をします。
その後、親友の弟も、また、父親も元気になり、仕事に復帰する事ができます。
竜は、翼君の願いを2つ叶えてくれます。
そして、カメ池にいた背中に稲妻模様のあるカメも……。
まさしく、翼君の大成長の物語です。
このお話の中では、実は、翼君のお父さんは、翼君とは血がつながっていません。
その事は、翼君は知りません。
翼君のお母さんが、まだ、赤ちゃんだった翼君を背負い、電車に飛び込み自殺をはかろうとした所を、今のお父さんに助けられたという背景があります。
このエピソードは、以前、聞いた実話です。
実際は、この母親は、二人の子どもを道連れに自殺してしまったそうです。
その時、関わった、男性が、あの時、自分が助けてあげられなく悔いているとの話を伺いました。
私は、この物語に、もしかして、このような、絶望を抱えている人がいたなら、
回りには、たとえ、通リすがりの他人でも、あなたを必要としている人がいるよ。
とのささやかなメッセージを込めました。
今、孤独を抱えて、生きずらい。
もう、死んでしまいたいと思うあなたへの励ましになれば、との祈りです。
さて、もしも、願いを一つだけ叶えてくれると言われたら、どんな願い事をしますか?
御礼申し上げます
💛このブログを読んで頂いている全ての方に💛
この度は、書く事が大好きで、書かずにはいられない、私の散文に読者となって頂いている皆様に心から御礼申し上げます。
「そんなに書く事が好きなら、ブログでも書いたら』
との友人からのススメで、皆様の仲間入りをさせて頂きました。
読者になって頂いている方々のブログを全て、拝読しましたら、恐れおおくも、
素晴らしいブログばかりで、とても、気後れしてしまいました。
何しろ、まだ、勝手がわからず、皆様のフォローを上手にできません事をお詫び申し上げます。
今後とも、笑顔あふれる、また、心に響く、深いメッセージをもった物語を紡げるよう、精進して参ります。
このブログを読んで頂いている全ての方に衷心より、真心こめて、感謝申し上げます。
スマイル・エンジェルより
私の前世と来世を趣向します。さて、あなたは?
主人公について
私は、物語を書く時は、大方『男性』を主人公にします。
何故でしょうか。
私は、身も心も女性です。
夫もいますし、子供も二人産みました。
でも、私自身、前世は『男性』で、生まれ変わったら、『男性』がいいと思っています。
これは、何の根拠もない私の勝手な持論ですが、
生れ変わったら、男性と女性どっちがいい?
との質問に
男性は、100%男性。
女性は、90%が女性で、10%が男性と答えます。
なので、私は、この10%に入ります。
しかしながら、思い起こせば、
まだ、20代の頃。
大柄な私は、ショートカットにしていたら、宝塚の男役みたいと女性に惚れられ、
髪をロング&茶髪&クリクリパーマでも、宝塚のベルバラのオスカルみたいと女性に惚れられてきました。
そのように思っていただける事は、身にあまる光栄ですが、私には、そおゆう趣味趣向はありません、とお断りしてきました。
今となっては、何か私の中にある『男魂?』がにじみ出ていたのでしょうか。
それが、作品を通して見事に出ています。
だから、主人公が、自然と男性になってしまう所以でしょうか。
と言って、男性から言わせると、『そこ、違うでしょう!』とツッコミたくなるかと思いますが。
これから先、どれほどか人類が進化した暁には、両性具有?にたどりつく事もあるかもしれませんね。
あっ!主人公を両性具有で書いてみましょうか。
うわ~楽しみ!
どんな物語になるか、こう、ご期待!
誓願(せいがん)とは?知ると実践したくなりますよ
第七回 タイトル『誓願』
せいがんと読みます。
仏教用語ですが、意味は、心から事の成就を誓い願うという意味です。
この言葉は、私の最近のマイブームです。
今年の1月末のショートショート大賞に投稿しました。
ショートショートなので指定文字数が、7000字以内だったのでギリギリで書きました。結果は、見事落選でした。
この作品を読んだ方々からは口々にフジテレビの単発ドラマ『世にも奇妙な物語』
みたいだと。
別に狙ったわけではないですが、やはり私は、映像志向なので、文章のリズムがシナリオぽいようです。自分ではよくわかりませんが。
確かに、描写が下手くそです。文学的ではないかと思います。
なので、このあたりをもっと修練が必要だと自己分析しています。
さて、この物語は、私の願望から生まれた作品です。
『生れ変わりたい』って思いませんか?
いえ、死ぬって事ではないんです。
今の自分から『まるで生まれ変わったように再生=蘇生』したいと私は、毎日、誓願しています。
要するに自分をとことん見つめて、もっといい自分になって行こうと理想を追い求めていきます。
そんな私の願望から、近い未来にもしかしたら、スマホのアプリでその願いを叶えてもらえるかも?なんて思いから生まれた作品です。
物語は30歳の誕生日を一人ぼっちで迎えた、彼氏も友達も家族もいない寂しい女子が主人公です。
そこに見慣れないメールが届きます。
なんとメールは30年後の自分から。
画面に映し出された30年後の主人公は、目をそむけたくなるほどの酷女。
30年後の主人公は、後の30年間の人生の経過を語ります。
自分が歩んだ人生ではありますが、こんな末路を送りたくないと主人公は、心から思います。
そして30年後の主人公が『お願い。誓願してちょうだい。私は、生れ変わるって』
主人公が、生まれ変わると誓願すると=この時、網膜承認で、本当に心から誓願しているか判断され、見事、承認が通リ、30年後の主人公は、美しく生れ変わるのです。
この事をきっかけに、主人公は、このアプリの会社から、営業マンとして、雇われ、悩める女子達を救っていきます。
主人公には実は、双子の姉がいますが、傍若無人な性格が全く合わずに決別していました。30年後の主人公は、その姉が、やはり、最悪の人生を歩み、今は、癌の末期で死にかけている。救って欲しいと依頼します。
主人公は、大嫌いな姉を救いたくないと断りますが、でも……
ラストの終わりは、ハッピーエンドなのか、それとも……
ショートショートならではの『世にも奇妙な物語』風な結末です。
こんなアプリあったらいいな~
だれか、開発してくれませんかね。
いやいや、精進あるのみですかね。
あなたは死ぬ前に誰に「ありがとう」を言いますか?
タイトル『最後に君にありがとう』
2013年に北日本新聞主催の公募に投稿しました。
400字/20枚(7853字)
これは、第一次選考でした。
この物語は、ガンの末期の患者をケアする、看護師さんの体験談を読み、とても感銘して、物語が生まれました。
私の、母も、この数年前にガンで他界していたのも、リアリティがあったのです。
物語は、30歳の看護師の女性が、末期のガン患者専門病棟に移動になる所から物語がはじまります。
主人公の女性は、看護師という仕事に安定した職業という意識で、そして、私生活でも不倫をしています。何事にも冷めた視点の日々を送っています。
自分の母親もガンで亡くしても冷めていて、更に、父親までもガンの末期になります
が、これも、我関せず。
しかし、患者にとことん寄り添う、素晴らしい人格の上司の看護師(私が、感銘を受けた体験談の女性がモデル)や理想なおしどり夫婦の患者、父をガンでなくした男子中学生との関わりの中で、主人公が人間的に成長していく物語です。
『最後に君にありがとう』とは主人公の成長した姿を象徴するセリフとなって、物語が終わります。
“悔いなく生きる” “人間、生きたようにしか死ねない”
というテーマで書きました。
夢を一緒に叶えてくれる人の正体は?
第五回『幽霊学校』スマイルエンジェル
『スイッチ』喜多恵子
『幽霊学校』は2013年に中高生向けの公募で作った物語です。
400字/90枚(36051字)
その後、同じ内容をシナリオに書き変えて、タイトル『スイッチ』にしてテレビ局のシナリオコンクールに投稿しました。
400字/60枚
この物語の舞台は、東京、青山墓地。
ここは、場所柄、有名人が眠る墓地です。
また、私がかつて通っていた都立高校が、この墓地の敷地に隣接していました。
(今は、残念ですが高校は、廃校になってしまいました)
場所柄、本当に幽霊が出ると噂もあり、実際目撃した人もいたようです。
作品の読者層が中高生向きだったので、我が母校を舞台にしました。
内容は、3人の高校生と墓地に眠る有名人がコンビを組み、それぞれの夢を叶えるという青春サクセスエンターテーメントです。
この幽霊学校というタイトルから、オカルトな内容かと思わるようですが、青春物語です。
どんな組み合わせかというと
- 落ちこぼれの高校3年生の男子と大学教授の幽霊がコンビを組み、東大に合格する。
- いじめにあっている高校1年生男子が有名な漫才コンビの幽霊とコンビを組んで、いじめっ子と仲直りをし、さらに、漫才コンビを組みデビューする。
- 失恋して自殺しようとした高校1年の女子と本当に自殺したアイドルがコンビを組み、女子力アップのレッスンを受けて、アイドルへと変身する。
高校生は、それそれが、自分の夢を叶え、そして、幽霊はその手助けをした功績で、めでたく成仏するという結末です。
幽霊と高校生の絆もほろっとします。
そして、「こんな経験してみたかったな~」と思いながら書きました。
実際、青山墓地には、もっと沢山の有名人が眠っているので、色々な組み合わせで物語が展開できます。
今後、連続ドラマの企画で!と勝手な妄想を膨らませています。
紙芝居「とげぬき小僧」が生れたのは
タイトル「とげぬき小僧」
この物語は、紙芝居です。
このお話は、息子(現在高校1年)が小学校に上がった時にできたお話です。
実は、この時、クラスメイトから息子が軽いいじめにあいました。
担任の先生にすぐに相談に行き、問題は大きくなりませんでしたが、私は、この時から『いじめ問題』が今後、起きない(全く起こらないのは不可能かもしれませんが)
予防もかねて、また、子供達への啓発を兼ねて、祈る気持ちで物語を紡ぎました。
このお話にママ友に絵を描いてもらい、大きな紙芝居に仕上げました。
朝の時間の絵本の読み聞かせタイムに、私は、この紙芝居を一歳年下の娘が卒業する7年間続けました。
一年生から6年生までの学年を巡回したので、生徒たちからは『とげぬき小僧のおばさんだ!』とすっかりおなじみさんになりました。
調子にのり、高学年用には、また、違う内容で、いじめをテーマにした物語を数編作り朗読で読み聞かせをしました。
これは、6年生のあるクラスで実際、深刻ないじめ問題が起きていて、私の作った作品がヒントになり、問題が解決したと先生に後に感謝されました。
物語の内容は、子供にしか見えない人の肩に乗る小さな『とげぬき小僧』が
人の心に刺さったとげを抜くお話です。
主人公の『たろう君』は、幼稚園からずっといじめにあっていて、心に沢山の太いとげが刺さっています。そのとげを、とげぬき小僧に抜いてもらい『愛・希望・勇気』の薬を塗ってもらい、すっかり元気になります。
そして、とげぬき小僧と一緒に自分をいじめている3人のいじめっこの所に行きます。
実は3人のいじめっ子も、それぞれが心に大きなとげが刺さっています。
それをとげぬき小僧に抜いてもらい、薬を塗ってもらい、たろう君と3人のいじめっ子は仲直りするというお話です。
このお話をすると、クラスの中の数名の子が、自分の心にとげが刺さっていると訴えます。
私は、「先生やお父さんお母さんに相談しましょうね」と促します。
単純な物語ですが、『いじめはする人が100%悪い』『いじめをしたら、自分自身も苦しむことになる』とのメッセージを伝えます。
この物語のメッセージは、子供の心にちゃんと届いていると、読み聞かせの感想文などで実感します。
紙芝居というレトロな手法ですが、これが、意外と受け入れられるのです。
大人の私達も、子供の心に戻って、観てみませんか?
いつでも、読み聞かせさせて頂きます。